null: 時は天徳4年――。陰陽師の安倍晴明 (佐々木蔵之介) と友人の源博雅 (市原隼人) は、“盗らずの盗賊”の話を肴に、酒を酌み交わしていた。博雅によると、夜中に小野好古 (川野太郎) の屋敷に、白い被衣 (かつぎ) をまとった女と黒覆面の男たちが押し入り、「雲居寺の浄蔵 (寺田農) からの預かりもの」を捜し回ったあげく、何も盗まずに去っていったという。二人がその不思議な話に首をひねっていると、そこに晴明の兄弟子にあたる賀茂保憲 (橋本じゅん) がやってくる。保憲は、20年前の平将門の乱の際に、手柄をあげた平貞盛 (酒向芳) の顔にあるひどい瘡 (かさ) は誰かに呪われたもののような気がするので、様子を見てきてほしいと頼みにきたのだ。
