オー! ファーザー
伊坂幸太郎の同名小説『オー!ファーザー』(新潮文庫刊)が待望の映画化!張り巡らされた伏線と、それを回収するスリリングかつ巧妙なストーリー。笑いとスリル・感動が溶け合う、絶妙と言う他ないエンタテイメントムービー誕生!ボクを妊娠したとき、母は二股ならぬ、四股をしていたというのだから驚きだ。4人の男性は、別れるくらいならと、4人でボクを育てることに決めた。名前は由紀夫。どこにでもいるフツーの高校生だと自分では思ってる。父親が4人いることを除けば、ね。ボクが生まれる前、母は2股どころか4股をかけていて、ボクを身ごもったとき相手の男たち4人が“別れるくらいなら!”と一斉に父親に名乗りを上げたモンだから、複雑な家庭環境ができあがったというワケ。オヤジが4人もいるんだからウザいのも他の家の4倍だけれど、ありがたいと思うことも少なくはない。オヤジたちの性格は面白いほどバラバラだし、まあ、それなり楽しくやっていたと思う。あの事件が起こるまでは――発端はサラリーマン風の男の鞄がすり替えられるのを目撃したことだった。何者かに監視され、荒らされる我が家、仲の良かった同級生の不登校、町のフィクサーがハマったらしい詐欺、不可解な心中事件、熾烈化する知事選挙……すべての点がボクの頭の中でつながった気がしたんで、思い切って行動したら大変なことになってしまった。ここから生きて帰れるのかな? オヤジたちのことばかり思い出しちゃうのは何故なんだろう? なんでもいい、とにかく助けてくれ、オヤジ!!
出演
岡田将生、忽那汐里、佐野史郎
監督
藤井道人