映画 ふしぎな岬の物語
のどかな太陽と海に抱かれて、独特の時間が流れる岬村。その岬の先端で、静かに佇む「岬カフェ」。どこか懐かしさの漂うこのカフェで、何より人々を和ませるのは、店主・柏木悦子(吉永小百合)が丁寧にいれた心づくしのコーヒーだ。悦子の祈りを込めた一杯は、カフェに集う人たちを元気づけた。悦子をこの地へと導いたのは、今は亡き最愛の夫。スケッチ旅行で偶然訪れた岬で、美しい虹と出会った夫は、虹の絵を悦子に遺した。ひとりぼっちになった悦子は、虹をつかむような気持ちで虹の岬に移り住んだのだった。みんなで喜びを持ち寄り、悲しみを分かち合う・・・。そんな穏やかな日々がいつまでも続くことを願う岬村の人たちに、荒波が押し寄せる。悦子への思慕に戸惑う甥の浩司(阿部寛)。大阪への転勤が決まった常連客のタニさん(笑福亭鶴瓶)。徳さん(笹野高史)との別れの時が近づき、積年の親不孝を悔いるみどり(竹内結子)。そして悦子を見守ってきた虹の絵も、カフェからなくなってしまう。大切なものが次々と去り、悦子は再び寂しさに襲われる。さらに追い打ちをかけるように、岬カフェが炎に包まれて・・・。
出演 吉永小百合、阿部寛、竹内結子
監督 成島出