海賊ブラッド
17世紀後半の英国。アイルランド人の医者ピーター・ブラッド(エロール・フリン)は、ある日、国王ジェームズ二世への叛乱でけがをした男を治療する。それが反逆の罪に問われ、ブラッドはカリブ海にある植民地ポート・ロイヤル(ジャマイカ)に送られてしまう。そこで奴隷として売られたブラッドを買ったのは、農園主ビショップ大佐(ライオネル・アトウィル)の姪、アラベラ・ビショップ(オリビア・デ・ハビランド)だった。やがてブラッドが医者であることを知ったアラベラは、総督の通風の治療を命じる。おかげで総督から目をかけられるようになったブラッドは、与えられた特権を利用して奴隷仲間と共に脱走を企てる。折しも、スペインの海賊がポート・ロイヤルを襲撃。その機に乗じてブラッドたちは脱走をはかり、海賊が船を離れた隙にその船をまんまと乗っ取ることに成功する。その後、自ら海賊となってカリブ海を縦横無尽に荒らし回り、キャプテン・ブラッドの名は天下に轟くところとなった。英国ではジェームズ二世がビショップ大佐を新総督に任命し、ブラッドの捜索を命じていた。一方ブラッドは、新たにフランスの海賊ルヴァッスウル(ベイジル・ラスボーン)と協力の盟約を結ぶ。しかし、アラベラと新国王ウィリアムの懐刀ウィロビイ卿(ヘンリー・スティーブンソン)が乗った英国の船をルヴァッスウルが襲ったことから、二人の処し方をめぐってブラッドとルヴァッスウルは対立し、あえなく決闘にまで至る。激しく剣を切り結ぶブラッドとルヴァッスウル。ついに勝利したのはブラッド。ブラッドは二人をポート・ロイヤルに連れて行くことを決意する。それは、ブラッドたち海賊が英国軍に捕らえられ、縛り首になるかもしれないことを意味していた。アラベラはブラッドの身を案じ、危険をおかさないでくれと願う。ところが到着してみると、ポート・ロイヤルはフランス艦隊の手に落ち、英国艦隊はその影もなかった。ウィロビイ卿は、英国海軍の一人としてフランス軍と戦うようブラッドを説得する。一度は祖国を追われたブラッドだったが、ウィロビイ卿に愛国心を呼び覚まされる。そして、今度は英国旗を高く掲げ、フランス艦隊と対峙するのだった。
出演 エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランド、バジル・ラスボーン
監督 マイケル・カーチス