
青春群青色の夏
高校三年の真太郎は、ある日家出をし、わりと近所の幼馴染(小学校時代の同級生)の耕介の実家に転がり込む。小学校時代、大して仲が良かった訳でも悪かった訳でもない二人。耕介の親が田舎に帰省してることを良いことに、次々と真太郎の高校仲間のゴロー、ヒロト、ゴローの彼女なども住みつくようになり、耕介の平穏な暮らしはかき乱され、耕介の部屋はみんなの《秘密基地》状態となってしまう。 ~夏休みは好きな娘に会えない~ 七夕の夜、好きな娘の短冊を見つけてしまう真太郎。そこに書かれたその娘の願い。中学時代の卒業アルバムに眠らせたままの耕介の初恋相手。なんだか最近、自分に冷たい真太郎の態度に微妙に悩まされ続けるゴロー。夏休み、急に黒ギャル化したゴローの彼女。花火大会の夜、夏期講習の塾の予定があるヒロト。それぞれのそんな小さな悩みも、それぞれの10代の小さなハートで抱えようとすればするほど、それは自然と溢れ出し、時には破裂する。