紀元前中国の秦国 。 下僕出身の身ながら“天下の大将軍”を目指す信は、武功を重ね、千人の部下を抱える“千人将”となっていた。自ら率いる“飛信隊”に軍師・河了貂を迎え戦いに明け暮れていた信。そんな中、独自に各地の様子を探っていた、今は亡き大将軍・王騎の軍の軍長だった録嗚未、干央と再会した信は彼らから、趙国を中心に各国に不穏な動きがあると聞く。 それは秦国に未曽有の危機をもたらす大きな“嵐”の前触れであった。
列強六国から成る“合従軍”が秦国への侵攻を開始。危機的状況打開のため、軍総司令・昌平君 は、東の斉国 と交渉し、合従軍からの離反を促そうと考える。一方いまだ状況を把握しきれないまま(、“雷原”) の地で侵攻中の魏軍 に追いついた飛信隊がそこで目にしたのは、魏軍総大将・呉鳳明 自ら指揮を執る大軍を相手に、少ない兵数で善戦を繰り広げる秦軍 の姿。それは、かつて信がその指揮下で戦ったこともある大将軍・麃公 の軍だった。
軍総司令・昌平君に召集され、秦国の名だたる将軍が一堂に会した。そうそうたる面々を前に昌平君は、国家存亡の危機を救う僅かな望みをかけた作戦を発表する。それは、全軍で国門“函谷関”にて敵を迎え撃つこと。この作戦を受け、秦国を挙げた大軍勢が函谷関へと集結。その中には信の“飛信隊”、信と同世代の将、王賁率いる“玉鳳隊”、蒙恬率いる“楽華隊”もいた。秦国の命運を握る戦いの幕がついに切って落とされた!
開戦の号令とともに始まった函谷関攻防戦。ヒョウ公将軍の下に配属された飛信隊は、隊長・信に率いられ、将軍直属の“ヒョウ公兵”とともに対する趙軍を次々と撃破してゆく。ところが勢いに乗っていたはずのヒョウ公軍の動きが突然止まる。実はヒョウ公軍は、趙軍総大将・李牧が全幅の信頼を寄せる副将・慶舎が張り巡らした罠にいつの間にか絡めとられていたのだ。一転、追い詰められる立場となったヒョウ公軍だが、そのとき、この窮地を救う者が現れる。
魏軍総大将・呉鳳明が造った新型の井闌車 によって危機に陥った函谷関。だが望楼に立つ将軍・桓騎 は不敵に笑いそれを見据える。一方、楚軍 の大軍勢と対する蒙武 と騰 の連合軍では、いつもは血気盛んな蒙武が静かに戦況を見守っていた。父・蒙武からこの戦いの目的を聞いていた蒙恬は、父の意図を汲んで自身の楽華隊を率いて激闘を繰り広げる。しかし、その行く手には楚軍千人将・項翼 、弓の名手・白麗 が立ち塞がる。
それぞれの隊を率いて秦軍・蒙恬と王賁、楚軍・項翼と白麗が相まみえた。若き将たちが戦場にて熱い火花を散らす!一方、秦軍の元王騎軍軍長・録嗚未は、楚国第一軍を率いる将軍・臨武君 と戦っていたが、自らの武力に絶対の自信を持ち、数々の修羅場を潜り抜けてきた臨武君を相手に苦戦を強いられる。そこに大将軍・王騎に認められ、その死後、軍を引き継いだ副官・騰が現れる。騰と臨武君―― 互いの誇りをかけた戦いが始まる!
森田成一
信
福山潤
漂
釘宮理恵
河了貂
仲野裕
昌文君
遊佐浩二
壁