大正5年。竹井千代(毎田暖乃)は大阪の南河内で貧しい農家の家に生まれた。幼い頃に母を亡くし、飲んだくれの父テルヲ(トータス松本)と弟ヨシヲと三人で暮らしていた。千代は口が達者な元気な女の子だったが、父の留守中は、小さい弟の面倒を見ながら、生活のため、鶏の世話をしなければならず、小学校にも通えずにいた。隣近所の子どもに陰口を叩かれる日々。そんなとき、テルヲが新しい母親、栗子(宮澤エマ)を連れて帰る。[FICT](C)NHK
父テルヲ(トータス松本)が新しい母親、栗子(宮澤エマ)を連れて帰ったことで、これからは小学校に通えると喜ぶ千代(毎田暖乃)だった。ところが栗子はテルヲ以上に朝寝坊で、ゴロゴロと寝ているばかり。家事は何もしなかった。あげくに千代が弟ヨシヲのために学校から持ち帰った大切なおはぎを栗子が横取りする始末。これをきっかけに二人は対立を深めていく。その夜、血相を変え、家を飛び出すテルヲの姿が。栗子は何処に…。[FICT](C)NHK
栗子(宮澤エマ)を引き止めるため、一獲千金を狙い、飼っていた鶏・流星丸を売る決断をするテルヲ(トータス松本)。そこで、千代(毎田暖乃)を連れ、観賞用の鶏の品評会が開かれるガラス工場の社長の屋敷を訪れる。周りの他の売り手たちが、千代が見たこともない立派な鶏を次々と差し出すものの、鋭い眼光の峰岸社長(佐川満男)は、いっこうに首を縦に振らない。緊張が張り詰める中、ついに千代たちの流星丸の番が巡ってくる。[FICT](C)NHK
社長の厚意から鶏を売ることができたテルヲ(トータス松本)と千代(毎田暖乃)。意気揚々と家に帰ると栗子(宮澤エマ)が独り。ヨシヲの姿が見当たらない。翌朝から村中でヨシヲの捜索が始まった。居ても立っても居られない千代は懇願し、大人に混じって一緒に探すことに。どうしてヨシヲは一人でこんな山奥に立ち入ったのか。考え込む千代の目に飛び込んできたのは、崖上に転がるヨシヲの草履だった。気付くと千代も行方不明に。[FICT](C)NHK
子どもを授かった栗子(宮澤エマ)は、千代(毎田暖乃)とヨシヲを奉公に出すことをテルヲ(トータス松本)に提案。憤慨する千代は栗子を追い出そうと策略を練るが、栗子を慕う者も居て、心持ちは複雑だ。さらにヨシヲが山奥で迷子になったのが、栗子の体を気遣って薬草を取るためだったことを知りショックを受ける千代。居場所の無さを実感しつつもヨシヲの幸せを願う心から、煮えきらない父テルヲの真意を問い詰めるのだった…。[FICT](C)NHK
道頓堀にやってきた竹井千代(毎田暖乃)。目に映るもの全てが、華やかな世界だった。千代の奉公先は、芝居茶屋・岡安。そこを取りしきる女将の岡田シズ(篠原涼子)から、ひと月の間に「お茶子」と呼ばれる女中の仕事を全て覚えるよう、条件を出される千代。いざ働き出すと、炊事、洗濯、お使いとお茶子として覚えることは山ほどあった。目の回るような忙しさの中で道頓堀を駆け回る千代のお茶子修行の日々が始まったのだった。[FICT](C)NHK