エピソード1
カメレオン
遠野李理香(菅野美穂)は、保育園の新米保育士である。同僚の進藤未明(原沙知絵)と伴に、保育園で忙しい日々を送っていた。 李理香には両親がなく育つ。そして「みんなの幸福が羨ましい」と3年前、自殺を試みたという過去をもつ。 その時、助けてくれたのが、長沢基次郎(江口洋介)であった。彼が提案した文通という手段に元気付けられてきた。李理香は、基次郎への手紙にだけは自分の気持ちを素直に出せるのだった。 李理香の愛を求める心は抗し難く、園児の父親の源太(杉本哲太)と関係を持っていた。そこには幸せを求める自分がいた。 夜、街角で歌うことで心を癒している李理香の前に現れたストリートミュージシャン・月密中也(伊藤英明)。場所とりでもめたのがきっかけで話すようになった二人だが、李理香も中也には憎まれ口を平気で言えるのだった。そして、源太と同じように園児の父親で、大人の魅力がする葛井昴(陣内孝則)とも出会う。 李理香はまた、基次郎宛に手紙を書いた。「孤独に溺れそう。だから必死に他人の幸福にしがみついてしまうんです」。李理香は、それを思い出しながら、昴(陣内孝則)と食事を共にし、酒を飲んだ。すがりついてこようとする昴をするりとかわし、路地の光の中に佇み、虚空をにらみつける李理香だった・・・。
46分 · 2000年7月5日