アスリート殺人事件～体操選手たちの光と闇

オリンピック代表入りを目指す15歳のイタリアの体操選手マルティナは、国際大会に参加するため、“ヴィス･インヴィクタ”のチームメートと雪深い村を訪れた。大切な試合を前に、選手やコーチに期待と緊張が入り交じる。ケガで10か月練習を休み復帰したばかりのマルティナは、練習の際、転倒の恐怖に襲われ体が動かなくなる。そしてこの大会中に起きる殺人事件によって、彼女たちの人生は大きく変わることになる。

団体予選が始まるが、ラケーレの指示でマルティナは控え選手としてチームの演技をベンチで見守ることに。各種目でカーラはルーマニアのエース、アンジェリカとハイレベルな勝負を繰り広げる。しかしアンナのミスなどにより、イタリアチームは予選は突破したものの3位という結果に終わる。トップ通過できなかったことに納得いかないカーラはいら立ち、夜にルーマニアのチームを呼び出して、アンジェリカに再び勝負を挑むが…。

個人総合の予選が始まり、カーラとアンジェリカは首位の座をめぐり激しく争う。マルティナはようやく調子を取り戻したところだったが、床の演技中に予期せぬ事態に襲われてしまう。予選終了後、コーチから外出許可をもらった選手たちはホテルを離れ、街のパブに行き酒を飲んでしまう。そしてたまたま居合わせたアンジェリカに冷たくされたカーラは、自暴自棄になりある騒ぎを起こしてしまう。

イアーニ家の犬が何者かに殺され、警察が捜査にやって来る。しかし犬を殺したのはベネデッタだった。犬殺しの件は選手内での秘密にしようと約束するがマルティナがラケーレに話してしまい、ベネデッタはケガを理由に帰宅させられる。そしてマルティナは秘密の約束を破ったことで、カーラたちチームメートから罰を受ける。独りぼっちになったマルティナは、ラケーレにも頼ることができずピエトロの部屋を訪ねる。

団体決勝の日、マルティナはコーチから技の難易度を下げるよう指示される。チームが苦戦するなか優勝を狙うマルティナは、最後の種目でコーチに逆らい難しい技に挑む。そして、以前から自分以外のチームメートにアレルギー症状が出ていることを不審に思っていたマルティナは、試合でのコーチとアレックスの態度から、ある仮説にたどりつく。それをアンジェリカに打ち明けたところ、それぞれが真相を探ることになり…。

個人総合の決勝の朝、競技場へ向かう途中でマルティナはある人物の遺体を発見する。警察は昨夜、その人物に最後にメッセージを送ったマルティナに疑いの目を向けるが、実際にメッセージを送って森で会っていたのはナディアだった。自分が殺したと思い込むナディアは自白しようとするが、ラケーレが彼女の身代わりになり…。果たして殺人事件の犯人は誰なのか? そして選手たちに投与されていた薬についても真実が明らかになる。