宇宙のステルヴィア

宇宙ステーション・ファウンデーションII、通称ステルヴィアへ向かうため、宇宙港にやってきた15歳の片瀬志麻。見送りに来た母の千秋は、娘が一人で宇宙学園行きを決めたことが気に入らない素振りを見せ、涙を隠して志麻を送り出す。志麻も泣き顔を見せず、気丈に宇宙へ飛び立った。そして重力船がステルヴィアに近づいた時、一行の目前にオーバビスマシン・ケイティの大編隊による華麗なアクロバットが広がった。町田初佳ら本科生の新入生歓迎会だ。船内で隣り合わせたステルヴィアの新入生、アリサ・グレンノースとともに、それを憧れの眼差しで見つめる志麻。ステルヴィアでの志麻の生活が、こうして始まろうとしていた。

入学式を終え、ステルヴィアの授業が始まった。放課後、クラスメートの藤沢やよい、栢山晶と一緒に講義選択の作戦会議を始める志麻とアリサ。そしていよいよ、志麻が楽しみにしていた宇宙船実習の時間がやってきた。オーバビスマシン・ビアンカに搭乗して宇宙に飛び立つ予科生たち。しかし、事件は予科生の担当教官レイラ・バルトが集合をかけた時に起こった。志麻のビアンカだけが戻ってこないのだ。宙域をどんどん離脱していく志麻のビアンカ。必死にコンソールを操作する志麻だが、ビアンカはまったく安定せず、教官機からのコントロールまで受け付けなくなっていた。志麻のビアンカに、一体何が起こったのか？

来週に迫った中間テストに備えて、アリサ、音山光太、小田原大、ピエール・タキダ、ジョイ・ジョーンズたちは志麻の部屋に集まって勉強会を開いた。だが、志麻と光太以外の面々はいつしか宴会状態に。あまりの騒がしさに晶が文句を言いにきたその時、晶の怒気にひるんだ大が志麻の端末を誤動作させてしまい、ステルヴィアのデータベースへ無断アクセスしたログが、ステルヴィアのメインサーバに残ってしまった。メインサーバに直接アクセスして証拠隠滅するため、マシン室に忍び込もうとする志麻たち。だが、夜のステルヴィアをぞろぞろと忍び歩く彼らには、やよいが寮長の初佳とともにこっそり後を着けてきていることに気付くはずもなく…。

飛行訓練中、大量のデータ処理に混乱してビアンカの制御を失った志麻は、なんとレイラの機に激突する大失敗をしてしまう。罰当番で命じられた巨大レンズ磨き中、たまたま出会った初佳にこぼした愚痴を聞きとがめられ、実力がないからだ、と冷たく言い切られてしまう。落ちこんだ志麻が一人で立ち入り禁止のロボット倉庫に座り込んでいると、そこには光太が。大量のデータ処理は多少無視しても大丈夫、と志麻に助言する光太。その後、志麻がとぼとぼと戻った部屋で待っていたのはやよいだった。志麻を探しに出てしまったみんなの代わりに、留守番をしていたのだ。落ちこむ志麻を見かねたやよいは、自分の過去を語り始める。

ファウンデーション対抗合同体育祭が近づいていた。予科生が一人だけ出場できるという花形競技、アストロボール参加を目指し、ビアンカのカスタマイズを志麻に手伝ってもらっていたアリサたち。そこでふと、志麻がなぜ操縦だけ下手なのか不思議に思ったアリサたちは、内緒で志麻の身体能力データを収集する。だが採取したデータに特に変わった点は見つからなかった。そんな中、志麻はまたも航宙授業で危険飛行をやらかしてしまい、倉庫で一人座り込んでいた。しかし、倉庫に居合わせた光太は落ち込む志麻にアドバイスをする。話を聞いて励ましてくれた光太に感謝の気持ちを込めて、コンペイトウを手渡す志麻だった。

ファウンデーション対抗合同体育祭が始まった。アストロボール一回戦、ステルヴィア対ビジョン。緊張でガチガチの志麻はミスをして、試合開始早々に退場となってしまう。試合には勝ったが落ちこむ志麻。クラスメートたちがお好み焼き屋で激励会を開いてくれたが、そこで次の対戦相手、強豪・オデッセイチームと出くわしてしまう。今日の試合ぶりを比べられ、言われ放題の一行。明日の試合に自信を持てない志麻は、教官たちの応援にもプレッシャーを感じるばかりだった。だがその帰り道、やよいから出た何気ない冗談が、二回戦の展開を大きく変えることになるとは、誰も気付いていなかった…。