ウルフ・ホール -愛と陰謀のイングランド

1529年。20年にわたるキャサリン王妃との結婚生活において男児を授かることができなかったヘンリー8世は、ローマ法王に王妃との結婚無効を認めるよう2年の歳月をかけて働きかけていたが、望む結果は得られなかった。その責任を問われたウルジー枢機卿は城を追われ、大法官の役職からも解任されてしまう。ウルジーが再び王の信頼を取り戻すための唯一の頼みの綱は、弁護士トマス・クロムウェルの存在だった。

北へと向かっていたウルジーは反逆罪で捕えられた後、病死する。ウルジーの復権のため王に仕えていたクロムウェルは王の信頼を得て、枢密院の顧問官になる。大法官のモアは異端者を激しく弾圧するが、クロムウェルが作成した王を教会の長とする法案が可決され、それに抗議する形で大法官を辞める。一刻も早く正式な夫婦となることを望むヘンリー王とアンの前に女預言者が現れ、不吉な予言をされるものの、2人はついに結ばれる。

アンが女児を出産し、ヘンリーはエリザベスと名付けるが落胆を隠しきれない。アンは宮廷内での自分の立場に危うさを感じ、周りを敵視し始める。女預言者のエリザベス・バートンは王位を狙う貴族たちに利用されるが、クロムウェルによってペテン師だと暴かれる。クロムウェルはヘンリーを教会の長と認め、アンとの婚姻も正式なものとするための法案を作るが、トマス・モアはその法案に対する宣誓を拒否し、死刑となる。

ヘンリーは落馬事故から回復するものの、アンが流産する。男児を産まないアンからヘンリーの心は離れ、ジェーン・シーモアへと移っていく。ヘンリーはアンにそそのかされたと言い始め、結婚を無効にすべくクロムウェルに指示する。宮廷での立場が弱くなるアンの苛立ちが募る中、兄嫁のロッチフォード子爵夫人を侮辱したため、子爵夫人はクロムウェルにアンと取り巻きのジェントルマンとの関係をほのめかす。