エマ ～恋するキューピッド～

母を幼くして亡くしたエマ･ウッドハウスは心配性な父のおかげで生まれ育った土地を一度も離れたことがない。それでも美しく社交的な女性へと成長したエマは姉、そして家庭教師ミス･テイラーの結婚の後押しをしたことから他人の縁結びに夢中になる。長年の友人ナイトリー氏はそんな彼女をたしなめるがエマは反省の色も見せず、今度は友人ハリエットとエルトン牧師の縁を結ぼうと躍起になる。

ミス･ベイツの姪ジェーンが久しぶりに帰郷する。ジェーンがディクソン氏に命を救われたと聞き、エマは好奇心をくすぐられる。一方ウェストン氏の息子フランクも幼き日に出ていって以来、初めての帰郷を果たす。フランクとエマが親しくなっていく様子にウェストン夫妻は喜ぶ。そんな時、ジェーンに謎の人物からピアノが届き、人々は贈り主を噂しあう。

ウェストン夫人はナイトリーがジェーンを自分の妻にと考えているのではと勘ぐる。だがエマはありえないと否定する。そんなある日、フランクの提案によって舞踏会が開かれた。楽しく踊る男女の輪に入れず寂しそうに座っているハリエットにナイトリーが手をさしのべる。舞踏会の興奮冷めやらぬ中、森を歩いていたハリエットは強盗に襲われてしまう。たまたま通りかかったフランクが彼女を助け、エマはハリエットが彼に恋をしたと思うのだが…。

ナイトリーの提案でエマは友人たちとピクニックへ出かける。フランクとはしゃぐエマは調子に乗って図らずもベイツ夫人を傷つけてしまう。ナイトリーに非難されエマは深く反省するが、和解する間もなく彼はロンドンへと旅立つのだった。そんなある日、フランクの伯母チャーチル夫人が亡くなり、これで彼が自由になれると皆喜ぶ。だが、フランクが伯母に黙って婚約していたことが判明し…。