エル・カザド
物理学者ハインツ・シュナイダー殺害の容疑で追われる少女エリスには、なぜか裏社会で巨額の賞金がかけられていた。女賞金稼ぎのナディはメキシコの田舎町でエリスを見つけるが、ふとしたいきさつからエリスを他の賞金稼ぎから救うことになる。エリスは事件の真相を突き止めようと、追手を逃れ南へと向かっていた。そこには彼女が生まれた「故郷」があるという。そこに行けば、自分の知らない過去がわかるはずだ―そう確信するエリスだが、手がかりは運命を導くと言われるインカローズの原石と、「ウイニャイマルカ」という謎の言葉だけ。途方に暮れるエリスに案内役を買って出たのは、彼女を追っていたはずのナディだった。かくして賞金首と賞金稼ぎの、奇妙な逃避行が始まることになる…。