下校する生徒たちの注目を浴びながら一緒に歩く高校生の安楽岡花火(吉本実憂)と粟屋麦(桜田通)。2人は美男美女のカップルとして有名だ。そんな理想的に見える2人には、ある「秘密」の共通点があった・・・。 1学期の始業式、花火が「お兄ちゃん」と慕う幼馴染の鐘井鳴海(水田航生)と、麦の家庭教師だった皆川茜(逢沢りな)が音楽の教師として着任。そこから物語は始まる・・・。
麦(桜田通)のクラスが音楽の授業を終えて、数人の女生徒が茜(逢沢りな)を取り囲んで楽譜についての質問をしている。麦はわざとゆっくりと移動の支度をしながら、茜を盗み見ていた。そんな麦を廊下から見つめる絵鳩早苗(池上紗理依)は、麦と目が合うと視線をそらし急に歩き出し立ち去ってしまう。彼女の心とは・・・。
絵鳩(池上紗理依)の想いを通して人の好意の重さを知る花火(吉本実憂)は、麦といると安心している事に気付く。2人の関係にも変化が起きようとしていた。ファミレスで食事をしていた2人、偶然そこに現れた茜(逢沢りな)の横には男が。口に手を当て内緒にというポーズをとる茜・・・麦(桜田通)はその男に見覚えがあった。
「求められなきゃ意味がない。何より」。茜(逢沢りな)は昔から、求められる気持ちよさを本能的に理解していた。中学生の頃から、対象に興味が無くとも、その対象に向けられた``好意``に興味があった。 そう、``好意``を搾取される人間の顔が見たくて・・・。
茜(逢沢りな)の正体に気付き、傷ついた花火(吉本実憂)は絵鳩(池上紗理依)の優しさに溺れていく。その頃麦(桜田通)は、3年ぶりに先輩である芽衣(吉田志織)と再会し、茜の本性を知らされる。傷ついた麦もまた芽衣と一夜を共にする。花火は、学校で久々に会う麦と共に屋上に向かう。「麦はもう要らない」という感情を抱いたまま・・・。
鐘井(水田航生)は茜(逢沢りな)に告白の返事を聞こうと音楽室を訪れていた。退屈に縛られていた茜は、鐘井に飲みに行こうと提案する。一方、激しくキスをする麦(桜田通)と花火(吉本実憂)。茜の事が頭から離れない花火は何かを決意し、歪んだ顔で積極的に麦に迫る。「あいつに向けられた``好意のすべて``を搾取する為に・・・」。
吉本実憂
出演者
桜田通
水田航生
逢沢りな
池上紗理依