グリッド

"2005年、太陽の黒点の爆発によって放出された太陽風が地球に吹きつけられる。 この太陽風は、地球全体に火災や放射能の被ばくなど、最悪の被害をもたらすことができるほどの強力なものだったが、実際の被害はわずかだった。直前の2004年に地球全体を覆う防御膜グリッドが完成したためだった。 時は流れ2021年。グリッドの維持と補修を行う管理局。その傘下に置かれた事務局の職員キム･セハが、殺人犯に遭遇する。その現場に出動した刑事チョン･セビョクは、殺人犯キム･マノクを追っていた途中で信じ難い現象を目にする。"

"「空気のように消えた女」。セビョクが警察の調書に書いたこのフレーズに管理局が注目する。女のDNAの分析結果を受け取ったセビョクの疑問は、ますます深まるばかりだった。 分析結果を押収せよという副局長の命令を受け、セハと共に出動した事務局の職員オジンは、元妻であるセビョクと離婚後初めて再会する。 女に関するすべての情報が機密情報として13階に封印されているため、セハは13階に入る方法を模索する。"

"女に関する機密情報を盗んだセハとセビョクは、グリッドが誕生した1997年に、管理局の前身である電波研究所で起こった、ある恐ろしい事件のことを知る。しかし疑問は深まるばかりだった。グリッドをつくり、太陽風から地球を救った女が、なぜ1997年以来、24年ぶりに現れて殺人犯を助けるのだろうか。 同じ頃、逃走する殺人犯マノクの前に、再び女が現れる。"

"管理局の特殊部隊の隊員を攻撃してまでマノクを逃走させた女。それなのに女は、地下深くにマノクを閉じ込めてしまう。 セビョクは、キム･マノクの事件から手を引くよう管理局から命じられたにも関わらず１人で捜査を続け、ある日突然、異動を命じられる。そのことが心配になったオジンはセビョクを訪ねるが、２人の関係は以前と同じようにギクシャクするだけだった。"

"管理局はマノクと女を捕まえるために公開捜査に踏み切ると同時に、グリッドに関する偽のニュースを流す。 史上最高額の報奨金を発表したことで、一般市民に被害が及ぶことを憂慮したセビョクは、マノクを捕まえるために、彼が最後に目撃された場所へと向かう。偽のニュースにだまされた女が管理局に現れるだろうと予想したセハは、密かに武装して女を待つ。"

"セビョクはマノクの検挙に成功するが、すぐに管理局にマノクを奪われてしまう。仮に女がマノクを救いに現れるとしても、普通の警察署では適切な対処ができないだろうと副局長が言い、直々にマノクを連れていってしまったのだ。 同じ頃、管理局に現れた女を捕まえようと、数十名の特殊部隊が陰に隠れて女を狙っていた。だが、その過程で予想だにしなかった被害が発生する。"