紅秀麗は、彩雲国の王都・貴陽に暮らす、由緒正しい紅家のお嬢さま。だけど家計は火の車で、賃仕事に精を出す日々。ある日、朝廷のお偉方、霄太師が頼みがあるとやってきた。高額報酬に目がくらみ、二つ返事で引き受けた秀麗だったが、頼みというのは、ダメ王様と噂される彩雲国の新王、紫劉輝の妃になってくれ、というものだった…。
新王・劉輝の教育係として、妃の身分で後宮に入った秀麗。劉輝と過ごす日々の中で、噂ほどのダメ王様ではない、むしろ、いい王様になるかもしれないと思い始める。秀麗は、劉輝が街へ出たことがないと知り、庶民の生活の現状を見せようと、おしのびで、劉輝を下街へと連れ出すが…。
秀麗が後宮に上がって、ひと月。彩雲国の新王、劉輝は秀麗との約束を守り、次第に政事に関わるようになっていた。ある夜、バラの花を手にした劉輝が、突然、後宮の秀麗の元を訪ねてくる。手を傷だらけにしてバラを摘んできた劉輝に、秀麗はバラ姫の話を聞かせる。そんな折、宮殿で彩雲国の高官が集まる酒宴で事件が起きる。
劉輝が秀麗の危機を救い、実は、劉輝はダメ王様のフリをしていただけだと知った秀麗は、怒りのあまり後宮を辞すと告げるが、霄太師らに丸め込まれる。憤る秀麗は、父の邵可から、劉輝の不幸な幼年時代の話を聞く。宮中では武芸大会が催されることになり、劉輝をはじめ、楸瑛や静蘭が剣の腕を競う。
秀麗の身の回りから次々と発見される毒に対処し、その出所に目星をつける劉輝ら。そんなことは全く知らない秀麗は、藍龍蓮と名乗る、奇妙な青年と出会う。その青年は、藍将軍の弟だった。自由気まま、傍若無人に振る舞う変わり者の龍蓮に、周囲は振り回されてしまう。
日に日に王らしくなっていく劉輝に、満足げな霄太師ら。秀麗は、劉輝に王としての自覚を持たせるという、自分の役目が終わりに近いことを察し、寂しくなる。何だかんだ言っても、後宮で過ごす日々は楽しかったからだ。側付きの香鈴も、秀麗の寂しさを感じ、元気づけようとするが、その矢先、秀麗が何者かに拉致されてしまう。
桑島法子
声の出演
関智一
緑川光
森川智之
檜山修之