息子の誕生後、サムは地元のネオナチから執拗なリンチを受けてしまう。理不尽な暴力をなくそうと、彼は東ドイツ人民警察機動隊への入隊を志願する。崩壊目前の共産主義政権に対して抗議運動を続けるサムの恋人は、彼がなぜ敵である共産主義に加担しようとするのかが理解できない。機動隊の少佐は、外見ではなく能力で判断すべきだというサムの公平な考え方に共感する。
東ドイツ人民警察機動隊へのサムの入隊が、家族間の軋轢を生む。ベルリンの壁崩壊の夜、サムの部隊は東ドイツからの国外逃亡を阻止するために出動し、恋人は政府への大規模な抗議活動に向かう。この出来事により、2人の間に決定的な亀裂が走る。警察官となったサムに、父親の死の真相を究明するチャンスが訪れる。ついにベルリンの壁が崩壊し、すべてが底知れぬ闇に飲み込まれていく。
殺人の嫌疑をかけられたサムは、父親の祖国であるコンゴに逃亡する。そこで親戚に初めて会うが、肌の色も言語も違うサムはただの「外国人」でしかない。父が永眠する場所を見つけたサムは、恋人と再会するためにケープタウンへと向かうが、武装した反乱軍に襲われる。捕らえられたサムはコンゴのドイツ大使館からドイツへ送還され、刑務所に入れられてしまう。逃げ場を失ったサムは、自分を見つめ直す旅を始める。
統一後の混乱が続く中、ドイツ警察に復帰したサムは官僚主義や組織全体にはびこる人種差別という壁に直面する。サムはある奇妙な殺人事件を独自に追い、その被害者がアフリカ系ドイツ人であったことを突き止める。サムがモデルを務めた多様性をアピールするポスターが内務大臣の目に留まり、サムは旧東ドイツの右翼過激派の暴力と戦う特別委員会に加わる。メディアに露出したサムは時代の寵児となり、1991年の最優秀広告賞を受賞する。
ナチスの暴動で悪名高い街で難民宿泊所に火が放たれ、サムはその現場に派遣される。友情、恋、父親としての責任、父の死の謎、警察官としての任務など、多くを背負うサムは精神的な限界を感じる。サムの恋人たちは故郷ドレスデンの人種差別と戦うべく、右翼過激派に対抗するための集会を開催するが、結果は散々なものだった。ネオナチ指導者の一人を独自に追い詰めることを決意し、遅々として進まない政策に業を煮やしたサムは、社会の弱者を守るため民間警備会社を設立する。
民間警備会社を始めたものの財務が逼迫し、限界を感じ始めたサムは帳尻を合わせようと、ドレスデンの裏社会のキングであるアフリカ系ドイツ人と手を組んでしまう。サムの恋人は、サムの父親の謎の死に関する情報を得るが、真犯人と思しき人物を追跡し愕然とする。意見が対立したサムとアレックスの一団との間に亀裂が生じる。事態は急展開を迎え、ついに死者が出てしまう。サムは国外への逃亡を決意する。
Malick Bauer
Sam Meffire
Max Schimmelpfennig
Bodo
カリーナ・ヴィーゼ
Regine
スヴェニア・ヤング
Yvonne
ルイーゼ・フォン・フィンク
Antje