ザ･ウォッチ

暗殺や窃盗などの犯罪がギルドにより合法化され、犯罪行為が日常となった街、アンク･モルポーク。街の警察組織であるウォッチのサム･ヴァイムズ警部の人生は一変する。ヴェティナリ卿の命令により、見えざる大学の図書館から盗まれた1冊の赤い本の捜査を行う彼の前に、20年前に死んだはずの仲間で、ギャングのリーダーだったカーサー･ダンが現れた。それもあり得ないことに、死んだ当時の姿のままだったのである。ヴァイムズはウォッチの部下たちや、犯罪の合法化に反対するレディー･ラムキンとともに、事件の真相とカーサーを追う。

キャロット巡査が警察のノウハウを駆使したおかげで、ウォッチはカーサーの邪悪な計画が、奇妙な事象が起こる魔道士の学校「見えざる大学」に関係していることを暴いた。大学の図書館から盗まれた本も、街を襲った高貴なドラゴンの出現に関係しているのかもしれない。本を盗んだのが大学内部の人間だと考え、ウォッチは見えざる大学へと向かう。サムとキャロットが大学の学長に事情聴取をしている間、図書館員の元へ向かったチェリーとアングアは、そこで「閲読室」と呼ばれる不思議な部屋へと足を踏み入れる。また、レディー･ラムキンは捜査に協力するものの、ウォッチに対しては複雑な思いがあるようだった。

高貴なドラゴンの出現により、アンク･モルポークの市民はおびえていた。そのドラゴンを操るためには「ガーウェイン」と呼ばれる遺物が必要だが、遺物の正体が何なのかは謎に包まれていた。カーサーよりも先に手に入れるために、ウォッチは街で最も秘密主義であり危険な組織である暗殺者ギルドへの潜入捜査を行う。ヴァイムズたちは音楽家ギルドに潜入し、地下にある扉から暗殺者ギルドへの侵入を試みる。一方、レディー･ラムキンは暗殺者に変装して、正面から乗り込む。しかし遺物を探す途中で、彼女の両親を殺した指のない暗殺者と遭遇するのだった。

高貴なドラゴンを操るカギとなる遺物の剣、ガーウェインを手に入れるために、カーサーはあらゆる手を尽くしていた。ウォッチは彼を追い、トワイライト･キャニオンへとたどり着く。そこは老人たちが余生を過ごす場所であった。その施設の住人で、元暗殺者のジョカスタ･ウィッグスが最後にガーウェインを持っていたが、彼女は記憶を失っていたため、情報を手に入れるのは簡単ではなかった。施設に残されたわずかな情報からガーウェインの在りかを探そうとするが、ウォッチはそこでカーサーと対峙する。互いに遺物を探していた彼らは、意外な事実に気づく。

高貴なドラゴンを操るための遺物である剣「ウェイン」を手に入れたウォッチだったが、ヴァイムズは誰も強大な力を手にしないほうがいいと考え、ヴェティナリ卿の指令に逆らい、見えざる大学の学長が自身の発明の失敗作を捨てている湖へ剣を捨てに行く。しかしその道中、学長の失敗作から漏れ出た魔力の影響で、自身が抱える深い闇に襲われることとなる。一方でカーサーは盗賊ギルドと手を組み、剣を盗み出すように指示する。ヴァイムズたちはゴミ捨て場である湖にたどり着いたものの、湖のレディーに剣を投げ返され、処分することはできなかった。

ドラゴンを操るための遺物をカーサーよりも先に手に入れるため、チェリーたち3人はタックの炭鉱へと向かった。チェリーの故郷でもあるその炭鉱には、違いが許されないドワーフの文化、闇の召喚、そして彼女が捨てた愛があった。地上では、ヴァイムズとシビルが警察署を暗殺者ギルドから守ろうと奮闘。炭鉱に行ったウォッチの3人はドワーフに裏切られ、カーサーたちに2つ目の遺物を奪われてしまう。チェリーも闇の中で啓示を受け、カーサーたちを追い詰める。