アストラエアの丘には、聖ミアトル女学園、聖スピカ女学院、聖ル・リム女学校の三つの学校があった。三校とも中高一貫教育の、お嬢さま学校――、男子禁制の聖域、乙女の園である。両親の仕事の都合で、聖ミアトル女学園に編入することになった蒼井渚砂は、編入初日に、「エトワール」と呼ばれ、女生徒の羨望と、信頼を一身に集める美少女、花園静馬と出会う。静馬は突然、渚砂にキスを迫り……。
慣れないお嬢様学校に編入して戸惑う渚砂。しかも学校中の羨望を集めるエトワールさまに迫られたことで、クラスメイトの注目を浴びてしまう。そんな渚砂の友達になったのが、寮の同室の涼水玉青。玉青に勧められて、渚砂は課外活動のクラブを探す。だが、お目当てのクラブを探しているうちに、渚砂は気がつくと学校の中で迷ってしまい、そして……。
渚砂が暮らすことになったアストラエア寮は、通称いちご舎と呼ばれていた。ある日渚砂は、玉青や寮の隣の部屋のクラスメイトたちと、いちご舎の探検に出かける。寮の中の初めての場所を回り、感動する渚砂。しかし、調子に乗って遊んでいるうちに、会議中の部屋に飛び込んでしまう。そこで渚砂の前に現れた美しい少女は、聖ル・リム女学校の生徒会長、源千華留と名乗った……。
いちご舎から、聖スピカ女学院に通う此花光莉は、学院のスター、乗馬部の鳳天音に憧れていた。聖歌隊に所属する光莉は、乗馬部の大会での活躍を祝す報告会で合唱することになるが、天音を前にして緊張してまい、ミスを犯してしまう。落ち込む光莉を、同室の南都夜々が励ますが、光莉の心は晴れない。思い悩む光莉は眠れぬ夜を過ごし、アストラエアの丘をさまよい、夜明けの光の中で、思いもかけない人物と出会った……。
ミアトル女学園には、「お部屋番」という制度がある。いちご舎に入った下級生は、上級生の部屋のお部屋番になって、お世話をすることになっているのだ。渚砂と玉青の部屋のお部屋番になったのは、一年生の月館千代という少女だった。以前から渚砂に憧れていた千代は、渚砂に気に入られようと張り切る。その頃渚砂たちは、同じ寮にいるスピカの生徒、此花光莉と出会い……。
何か部活に入ろうかと、いろいろな部を見学して歩く渚砂は、温室を見つけ、中に入る。色とりどりの美しい花が、咲き乱れるそこは、エトワール・花園静馬専用の温室だった。ここで、エトワールが行事に使う花を育てているのだという。土を触った手を洗う渚砂に、ハンカチを差し出す静馬。渚砂はハンカチを洗い、返そうと静馬の部屋に行くが、留守だった。自分の部屋に戻ろうとした渚砂は、いちご舎にある、不思議な部屋の存在を知る。
生天目仁美
Shizuma Hanazono
清水愛
Tamao Suzumi
迫井政行
監督