芝二郎は困っていた。遠く異国の地にいる母、鞠子から突然のルールが突きつけられていた。1日仕送り1000円。但し「お手伝い」を毎日する事。今ではすっかり悠々自適なニート生活を送っていた二郎にとって、晴天のへきれき。相棒のマメシバ一郎を使って、鞠子に抗議ビデオを送りつけようと撮影していた。
電気を止められた。エアコンが付かない家で、マメシバ一郎と共に途方に暮れる二郎。おまけに先日由紀が置いていったチワワのリリーが物欲しそうな目を向けてくる。とりあえず電力確保のために、隣の叔母、富子の家のコンセントからドラムコードを引っ張り、電力ドロボーを試みるも、あえなく失敗。
母、鞠子の仕掛けたルールにまんまとハマり、マメシバ一郎と共に「お手伝い」を始めた二郎。しかし、電力は未だ回復されず、隣の家も防御策を講じられ電気が取れなくなっていた。仕方なく今度は、裏の牛乳屋から電力と水道を拝借することにした二郎。
すっかり里親募集ビデオ撮影隊と化した二郎とマメシバ一郎、そしてボランティアの由紀。これさえこなしていれば1日1000円は母の鞠子が送金してくれる。ただそれだけではなく、二郎はなんとなく勤労の喜びを感じ始めていた。その証拠に撮影後に飲む子供ビールがうまくてたまらない。
里親を探して欲しいとオールド・イングリッシュ・シープドッグのユニオンを連れた少女、楓がやってくる。その子供離れした物言いに、苦手意識丸出しの二郎。楓に懐いているのになぜ里親に出すのかと聞くが、複雑な事情がありそうだ。早速里親ビデオを撮り始めるも、まったく動かないユニオン。
ユニオンの飼い主、楓が母親の麻子とともにやってきた。麻子は、楓がユニオンを保健所に連れて行ったものだと勘違いしていたと言う。なぜ里親に出すのかと問いかける由紀に、経済的な理由だと告げる麻子。二郎は、麻子を勝手だと罵った。