真夏の蒸し暑い東京。新宿のサラリーマン金融を改造銃を手にした英二(松田優作)が襲う。4千万円近い金を奪い、さえないOL・サチ子(桃井かおり)を人質にする。途中出会ったカメラマン・サトル(せんだみつお)を連れ、非常警戒をくぐり抜ける。 おすぎとピーコがディスクジョッキーを務めるラジオの深夜番組で、サチ子の作った歌「熱帯夜」が入選し放送された。しかしサチ子の部屋で局からの電話に出たのは、捜査に来ていた刑事(岸部一徳)だった。 英二らは大きな新車を買い、新宿の“のぞき部屋”でアルバイトをしている妹マユミ(熊谷真実)とマユミについてきた・タダオ(ケーシー高峰)と共に高速道路を突っ走る。
富士山麓の大遊園地で、英二とサチ子は乗用車を盗み、現金輸送車を襲い5千万円を強奪した。これを追うワゴン車には、マユミ、タダオと強盗現場をせっせと撮影をするサトルがいた。 東京では、刑事が、週刊誌に載ったサトルの写真から英二の身許を割り出し、ラジオはサチ子の歌を流してサチ子に電話連絡をと呼びかける。追求の手は身辺に迫ってきたが英二は、サチ子の故郷、郡上八幡の町へ向い、銀行を襲い、逃げる途中で警官を射殺してしまう。 英二たちは、英二の故郷、瀬戸内海の因島へ向かう。だが生家には寄らず、無人島の浜辺で老母や兄たちと会う。
警察の目をくらましながら、海辺の都市へワゴン車を走らせてきた英二、サチ子ら一行五人。英二は妹マユミとタダオに教会で結婚式を挙げさせ、その間に近くの銀行を襲う。一行はモーテルに入ったが、改造銃を持った英二の姿が、室内に仕込まれていたビデオカメラを通し管理室に映っていた。管理人の急報でパトカーが集まり、警官たちがモーテルを包囲した。マユミとタダオを残し、警官の銃撃の中、車で突破して逃げる三人。 伊豆の無人別荘に逃げ込んだ英二らは、日本を出る決心をする。ラジオのおすぎとピーコに、電話で歌を送るサチ子。スタジオで電話の逆探知に必死の刑事ら。マリーナで船を手に入れた英二、サチ子は、夜明け近い湘南の海辺から脱出しようとするが・・・。