メタカロンはかつてクオルードの名で販売されていたが、乱用が問題となってアメリカなど各国で禁止され、今はほとんど流通しなくなった薬物。しかし、南アフリカでは現在もマンドラックスと呼ばれる配合薬の形で密造され、広く乱用され続けている。しかも錠剤を砕いて火をつけ、煙を吸引するという奇妙な摂取方法が一般的だ。その背景には、アパルトヘイト時代に行われた秘密の生物･化学兵器開発計画があった。他国では既に過去の物と化しているメタカロンが、なぜ南アフリカでだけ生き残り続けているのか。その理由をアワビの密漁などとも絡めながら紐解いていく。

ある医療用麻薬を研究する過程で化学者マドックスが偶然発見したPCPは、多くの疾患の治療薬として将来的に大きな可能性が期待されている。だが、これまではその解離作用のせいで医療利用が制限されストリートに広まってきた。恋人を殺してその肉を食べたり、自分の体の一部を切り落としたりといった猟奇的事件との関わりも深いことから、今もPCPにはマイナスのイメージがつきまとう。精神作用を有する物質の探求にまい進する番組ホストのハミルトン･モリスが、PCPの研究者、常用者、闇の製造者、警察関係者など幅広く取材し、その真実に迫る。

精神作用がある薬物の研究に身を捧げるハミルトンが、サルビア･ディビノラムの作用や歴史などを掘り下げる。あまりに強い幻覚作用のため、アメリカではその体験を記録した投稿動画が問題となり、多くの州で禁止されることになったサルビア。初めて抽出に成功した植物学者の体験談や、サルビアを吸う自らの姿を映した動画とその本人を紹介し、サルビアの威力を取り上げる。サルビアに魅せられているハミルトンは、この植物が自生する姿を自らの目で確かめ、さらに現地のシャーマンによる儀式に参加すべく、メキシコのオアハカ州を訪ねる。何人か空振りしたものの、何とかサルビアの儀式を施すシャーマンと接触できたのだが、果たしてサルビアの神はハミルトンに微笑むのか。

キノコの中には、幻覚作用を引き起こす成分シロシビンが含まれるものが存在する。マジックマッシュルームと呼ばれ、幻覚剤と同様に使われることもある。そのためアメリカなどでは使用が規制されているが、メキシコでは古代より神聖なキノコとして扱われ、今なおシャーマンの儀式などで用いられている。精神作用を有する物質の探求にまい進する番組ホストのハミルトン･モリスが、メキシコのシャーマンに会って儀式を経験したり、普段は公にされていない栽培地を訪ねたり、アメリカで闇の栽培者の施設を訪ねたり、さまざまな角度から取材を重ね、その真実に迫る。

食べると幻覚を見る魚がいるという。それはサンゴ礁の周りに住む魚で、食べた人間は色鮮やかな夢を見たり、ひどい悪夢にうなされるという報告が世界各地に存在する。しかしこれまでのところ幻覚の原因物質は解明されていない。ハミルトンはその謎を解くため、症例に関係する魚が数多くいるインド洋へ。現地の漁師らに話を聞き、素もぐりで幻覚魚らしき魚を捕まえて調査を進める。そしてついに“夢の魚”を好んで食べる漁師の兄弟に遭遇。彼らの家で勧められるがまま魚を次々と平らげる。次第に口にしびれを感じ、毒の効果が表れてきたハミルトン。その夜、彼が見た夢とは?

幻覚剤は強力な効果で医療現場における治療でも成果が上がっていたが、「エクスタシー」の普及とともに政府の目が厳しくなり、現在は生成が違法とされている。しかしこれに立ち向かった男たちがいた。1人はダレル･ルメール、そしてもう1人は彼のラボを引き継いだ、ケイシー･ハーディソン。ダレルはその存在を隠しながら火山の下のラボで生成を続ける一方で、デザイナードラッグの第一人者として知られるアレクサンダー･サーシャ･シュルギン博士にも協力していた。法の規制が厳しくなり火山を売ったダレルは、後継者を探す。ケイシーを見初めたダレルは彼に連絡し、設備を譲る。そのケイシーは英国で逮捕され服役するも、屈せずに法の範囲内で研究を続けている。2人の共通点は自身も幻覚剤を体験し、魅せられていること。90歳を迎えるダレルが、ついにこれまでの生涯について語る。