プラネットアース

海に隔絶された島は世にも珍しい生き物たちのサンクチュアリだ。パナマのエスクド･デ･ベラグアス島にのみ生息するミユビナマケモノの仲間。ニュージーランドアホウドリは普段はパートナーとまったく別々に暮らし、繁殖期の時だけ合流する。しかし、土地や食べ物が限られた島での暮らしは決して楽なものではない。ガラパゴス諸島では、ウミイグアナの赤ちゃんを狙うようになったヘビが暮らす。また南極海に浮かぶザヴォドフスキー島では、ヒゲペンギンの親鳥はヒナの食べ物を得るため、荒れ狂う波と命がけで向き合わなくてはならない。

高い山々が連なる山脈は、地球上でもっとも壮観な場所のひとつ。しかし、高山は非常に過酷な世界であり、限られた生き物だけが、標高の高い環境で生きる術を身につけている。高山の生き物は、地球上でもっとも神秘のベールに隠された存在、番組はかつてない克明な映像で、その謎に満ちた生態に迫る。4頭のユキヒョウを捉えたシーンでは、母子がライバルである2頭のオスに両側から挟まれてしまう。グリズリーたちは、冬毛を落とすためダンスのようなしぐさで木に背中をこすりつける。イヌワシは雪を頂くヨーロッパの山脈を悠々と飛んで狩りを行う。

熱帯の森は生命の宝庫。驚きのドラマに満ち溢れた魔法のような場所だ。摩訶不思議な生き物たちが、地球上で最も生存競争の激しい環境で懸命に命をつないでいる。巨大なワニ、カイマンを襲うジャガー。濁った水の中、超音波で魚を探すカワイルカ。ハチから卵を守るために戦う半透明のカエル。危険から逃れるために木の間を飛翔するトビトカゲ。マダガスカルの森を縦横無尽に跳ね回るインドリ。他にも、夜の密林で不思議な光を放つキノコや昆虫など、世界にも不思議な生き物たちの姿を極上の映像で紹介する。

砂漠は極限の地。砂漠の生き物たちは過酷な条件に対処する巧みな技を持たねばならず、そこでは驚くべき生き残り戦略が展開されている。飢えに苦しむライオンの群れは、獲物を求めて灼熱の砂漠を移動。ついには危険を冒して自分の数倍の体重のキリンを狩ろうとする。サケイのオスは、毎日200キロを移動し、天敵が待ち受ける水場まで飛ぶ。この命がけの行動は、ヒナに水を運ぶためだ。初めて映像に収められたシーンでは、小さなコウモリが猛毒を持つサソリと戦う。マダガスカルでは、途方もない規模で大発生したバッタが行進する。

地球上の陸地の4分の1を占める草原。そこに集まる生き物の数は世界で最も多い。しかし彼らは、季節ごとに激変する環境に耐え抜かなくてはならない。奇妙なまでに大きな鼻を持つサイガや、南米のオオアリクイなど、草原で暮らすために適応してきた生き物たち。アフリカのオカバンゴではライオンとスイギュウが戦い、サバンナの鳥、ハチクイは体の大きなゾウを利用して虫を捕まえる。極北の大地では毎年、雪解けがやってくるとカリブーが大移動する。しかし、旅の途中には天敵のホッキョクオオカミが待ち受けているのだ。

急速に拡大している都市では、動物の生息には不向きと思われがち。しかし、実際はチャンスに満ちた世界となりうる。ムンバイの路上をうろつき無防備な獲物を狙うヒョウ。ニューヨークの高層ビルを利用して狩りをするハヤブサ。ローマの空で壮大に舞うムクドリの大群。インドのジョードブルではラングールが神のつかいとして崇拝され、エチオピアのハラールでは人間がハイエナと仲良く暮らす。一方で、多くの動物は都会のジャングルに適応し、生きるために苦労を強いられる。人間と野生動物が共存できる都市は、建設可能なのだろうか?