北斗 -ある殺人者の回心-

「僕を、死刑にしてください」―2016年3月、殺人犯として勾留されている20歳の端爪北斗 (中山優馬) は、国選弁護人の高井聡一にそう言い放つ。「僕は、生まれてはいけなかった」―北斗は誰かに抱き締められた記憶がなかった。実の両親から激しい虐待を受け、愛に飢えた少年時代を過ごした北斗はやがて養護施設に入ることに。そこで里親となる近藤綾子に出会い、初めて“愛”というものを知る。幸せを少しずつ感じることで心の闇から解放され、生まれ変わっていく北斗。しかし、運命のいたずらはまだ彼を解放してはくれなかった。孤独な青年はなぜ殺人犯になったのか。数奇な運命に翻弄され、残酷な日々を過ごしてきた彼に下る「審判」とは――。端爪北斗の“命を懸けた”裁判が今始まる――。