北海道・鵡川のビンボー牧場『みどり牧場』の期待を背負って生まれた桜花賞馬『ミドリコ』の仔馬は、まるで犬のような姿の白毛のチビだった。牧場主の『飯富源次郎』は仔馬を処分しようと考えるが、息子の『勝』はそれを必死で止める。実はこの仔馬は見た目に似合わず物凄いスピードとパワーを持っていたのだ。
借金のカタに連れていかれた母・ミドリコに会うために牧場を飛び出した『チビ』は、『ひげ牧場』に向かう森の中でネズミの『チュウ兵衛』親分と出会い、『うんこたれ蔵』という名前をつけてもらう。たれ蔵とチュウ兵衛はさまざまな困難に遭いながらもひげ牧場を目指す。
母と再会した『たれ蔵』。だがなぜか母は冷たい。ふとしたことで母の思いを知ったたれ蔵は、「強い競走馬になる!」と母に約束し牧場へと帰ってくる。その頃、源次郎の兄で調教師の『昌虎』が、自分の厩舎に入れる馬を見に牧場にやってくる。そこでたれ蔵を見た昌虎は…。
借金依頼のため、金持ち牧場『本多リッチファーム』に向かう源次郎に内緒でついてきたたれ蔵は、そこで期待の4歳馬『スピードボール』と互角のレースをする。だがその時、たれ蔵たちの横を物凄いスピードで走っていった馬がいた!
本多リッチファームの期待馬『カスケード』とレースすることになったたれ蔵だが、源次郎はミドリコが惨敗したレースを思い出す。しかもその負けた相手はカスケードの亡き母だった。源次郎はレースをやめさせようとするがたれ蔵にその気はなくレースは始まる。ところがカスケードの強さは同じ2歳馬とは思えぬほど桁違いで…。
レース中に倒れたたれ蔵は、獣医の診断で競走馬がレース中に起こすことがある『心房細動(しんぼうさいどう)』であることがわかった。だが源次郎は、「レースに負けたことと倒れたショックで、もう、たれ蔵は走らない」という。