人間が宇宙に進出する時代だって子供は元気に学校だ。でも俺、竹尾ワッ太は6年生なのに会社の社長。今日も我が社の誇る無敵ロボ・トライダーG7を操って謎のメカロボットから宇宙ステーションを護る仕事に出動だ。だって俺の肩には社員の生活掛かってる。社長は辛いぜ!
社長てのは大変だ。死んだ父ちゃんの知り合いの防衛省のおっちゃんが来たからって、大好きな野球も抜けて会わなきゃなんない。でも俺の会社に仕事をくれる人だしな。って、おっちゃん、昔話してる場合じゃないよ! またメカロボットが火星のウラン採掘基地を狙ってきたぜ?!
今日は憧れのかおるちゃんの誕生日パーティー。金持ちでキザな健一はペンダントをプレゼントするって言うんだ。でも母ちゃんは男は真心だって小遣いの前借もさせてくれない。じゃせめてお祝いの気持ちを……え? またメカロボット? 専務の子供のミルク代も掛かってるってぇ?!
日曜は楽しみにしてた野球の日。なのに何故か赤ん坊の子守りをする羽目に。これじゃ野球が出来ないって!えっ専務、日曜だってのに仕事? じゃ代わりに子守り頼むよ。輸送船の捜索なんてすぐに片づけちゃうからさ。うわっ、他のみんなも日曜出勤かよ。こりゃ手も抜けねぇぜ!
健一がロースルロイスでかおるちゃんとドライブ? なんの、俺にだってトライダーがあるぜ! だけど確かに俺の会社にある車はあのボロ自転車だけ。ところが健一も実はトライダーが羨ましかったんだ。よし、一度交換しようぜ。あ、でもトライダーは玩具じゃないぞ、判ってるか健一!
三重子先生って本当に心配性なんだ。大人の中で仕事していると、俺が捻じ曲がった人間になっちゃう、なんて会社に来てまで言うんだ。でも、俺にとっては仕事も学校も遊びも、みんな同じ位楽しくってためになるんだけどなぁ。仲間と力合わせて働くのって、とっても楽しいんだぜ!
星山博之
脚本