不死蝶
信州の射水で対立する二つの旧家、矢部家と玉造家。その間で矢部慎一郎・玉造朋子は密かに愛を育んでいたが、ある日、事情を知って怒る矢部の父・杢衛は、朋子を捕らえるために慎一郎の弟・英二を差し向けたが、鍾乳洞の中で何者かに殺されてしまう。そして朋子は底なしの洞へ姿を消し、二度と戻らなかった。謎めいた書置きを残して…。それから二十三年、一人の女が娘を伴い村へ現れた。それが朋子ではないかと疑った杢衛は金田一耕助に調査を依頼する。