ジャパン監査法人の若杉健司は「厳格監査」を志す若き公認会計士。ある日、若杉は監査に入る予定の北陸建設工業に架空売り上げがあるという密告電話を受けます。先輩の田代らと監査に乗り込み経理書類に不審な点を発見。会社の抵抗を押し切り現地調査すると、建設中や未着工の物件が売り上げに計上されていました。粉飾の事実を突き止めたのです。しかし、北陸建設工業に気脈を通じている監査法人理事長・篠原は見逃せと命じます。[FICT](C)NHK
若杉が監査を務めることになった大手食品メーカー・飛鳥屋の倉庫で火災が起きます。しかし、財務諸表には火災損失のデータがありません。会社側は、倉庫の管理は別会社に依頼していると説明。若杉は飛鳥屋と別会社のあおなみ興産の間に不審な経理処理を見つけます。そして同僚・山中茜の調査で、飛鳥屋の倉庫から売れ残り在庫が大量に見つかります。それは巨額の不良債権を隠ぺいしている証拠だったのです。[FICT](C)NHK
若杉はシステム開発会社の監査にあたり、架空循環取引による粉飾を発見します。しかし、主査の吉野は旧知である社長・北山の力になりたいと粉飾を容認。若杉は吉野を非難します。しかし、ジャパン監査法人の理事長・篠原はそんな吉野を東都銀行担当の監査主査に指名し、多額の不良債権に苦しむ東都銀行の監査に手心を加えるように指示。なぜか吉野は若杉と同僚の山中茜に、東都銀行の自己査定書を徹底的に洗い直すように命じます。[FICT](C)NHK
東都銀行の監査を承認しなかった若杉は先輩・吉野の失そうや銀行役員の自殺を目の当たりにし、監査の仕事に迷いを持ちます。一方、上司の小野寺は財政監督庁と手を組み、ジャパン監査法人の理事長・篠原の追い落としを計ります。東都銀行に財政監督庁の強制検査が入る一方、ジャパン監査法人にも東京地検特捜部のメスが入り、飛鳥屋の一件も白日の下にさらされます。そして、ジャパン監査法人は事実上業務停止へと追い込まれます。[FICT](C)NHK
若杉の上司だった小野寺が立ち上げた「エスペランサ監査法人」は急成長。しかし、若杉は優秀な企業だけを選別し、業績不振の企業を切り捨てる小野寺のやり方に疑問を感じます。若杉は、友人・井上のベンチャー企業上場のための監査を請け負います。若杉は違法スレスレの行為を見つけますが、井上に「株価をつり上げるために必要なことだ」と開き直られます。上場させるべきか悩む若杉。そして、井上が襲われる事件が起きます。[FICT](C)NHK
プレシャスドーナツの粉飾が明らかになり、株価は急落。エスペランサ監査法人は上場させた責任を問われ、理事長・小野寺は財政監督庁から処分を受けます。若杉も会計士としての責任を感じエスペランサを辞めます。若杉は故郷で静養している妻・朋美を訪ねますが、仕事しか省みない態度を責められます。多くを失った若杉ですが、執行猶予の判決を受けた元ジャパン監査法人理事長の篠原と会い、会計士となった原点を見つめ直します。[FICT](C)NHK