大奥の権力争いに巻き込まれる一人の町娘と、将軍家光の宿命的な出会いを描く町。娘お楽には、東映ニューフェースの橘ますみが扮して登場する。
町娘から大奥に召されたお楽が家光の寵愛を一身に受けるようになった。春日局に対抗して家光の心をとらえようとするお万の方が、お玉を京都から迎え入れた為、大奥の勢力は真っ二つに割れてしまう。かくて春日局とお万の方の内面的な抗争は、いよいよ激しくなる。
家光の世継ぎが決まると、大奥の力関係は大きく変わった。家光の寵愛を一身に受けたお楽は様々な期待と不安の中で家光の子を身ごもる。お楽の妊娠をきっかけに、お楽をうらむ呪いの人形が発見された。
春日局の死によって大きく塗り替えられた大奥の勢力地図。四代将軍家綱の母でありながら報われることなく一生を終わるお楽、将軍家光の死、そして新たに実力者に矢島局がのし上がってくる。
家綱の乳母・矢島局は権力をほしいままにし、老中を悩ませていた。この矢島局を押さえるため、家綱に御台所を迎え入れる動きが活発になり、京都から伏見宮の姫・浅宮顕子が選ばれた。顕子には心ひそかに思う若い絵師がいたが、国家天下の大事を救うためと諭され大奥に入ることを決心する。
顕子をよく思わない矢島局は、顕子を陥れようとする。己の血を分けた娘をも道具にし使い捨てる卑劣さが浮き彫りとなる。