日本各地の美しい風景と、そこに育まれる人々の暮らしを紹介する。(C)NHK
エピソード1
こころの各駅停車 ~岩手県三陸鉄道~
岩手県の釜石駅から盛(さかり)駅まで、36キロを結ぶ三陸鉄道南リアス線。車窓には三陸海岸の絶景が広がります。過疎化で乗客が激減し、赤字経営に陥った故郷の鉄道を守ろうと、歌と踊りで観光客を楽しませる駅長。鉄道の開通を誰よりも喜んだ亡き祖父の短歌にちなみ、駅名の変更を提案したホタテ漁師。二十余年、乗客を見送り続ける“駅の母”。海岸沿いを走る鉄道に寄り添って生きる人々を訪ねます。[TRAV](C)NHK
エピソード2
風をきり 北へ~北海道 サロベツから宗谷岬~
夏、北海道北部のサロベツ原野から宗谷岬にかけては、バイクに乗って旅をする人々が全国から集まる。愛車のバイクにテントと寝袋を積み、「みつばちライダー」と呼ばれる人たちは、広大な原野を駆け抜け、北を目指す。空と大地が溶け合うような一本道には、珍しい高山植物が咲き誇り、雄大な自然が待ち受ける。さまざまな思いを胸に北へ向かうライダーと、彼らを支える地元の人たちとの触れ合いに出会う。[TRAV](C)NHK
エピソード3
聖天さまの贈りもの~埼玉県熊谷市妻沼~
利根川の中流に位置し肥沃(ひよく)な土壌に恵まれ、水運の要衝として栄えた埼玉県熊谷市妻沼(めぬま)。日光東照宮をほうふつとさせる、けんらん豪華な彫刻で彩られた妻沼聖天山の本殿は、2012年、国宝に指定された。江戸時代、庶民の浄財を集めて建てられた本殿は今も町の宝。恵みに感謝し収穫した野菜を奉納する農家、時を告げる鐘を毎日つく門前の和菓子店の一家など“聖天さん”に日々の幸せを祈る人たちを訪ねる。[TRAV](C)NHK
エピソード4
駆けぬけて あしたへ~神奈川県 川崎競馬場界わい~
神奈川の川崎駅のほど近くにある川崎競馬場。終戦間もない昭和25年に開設され、京浜工業地帯で働く人を中心に、ささやかな娯楽の場となってきた。一方で開設当時、戦争で夫を亡くした女性を優先的に雇用するなど、貴重な女性の働く場でもあった。今も競馬場内には、女手ひとつで子供を育てた母の思いを受け継ぐモツ煮店が営業を続け、また調教師として活躍する女性もいる。川崎競馬場の界わいを訪ね懸命に生きる人々に出会う。[TRAV](C)NHK
エピソード5
連綿と この手で~千葉県東庄町~
利根川の下流にある千葉県東庄(とうのしょう)町。江戸時代、利根川から江戸へ続く水運の拠点として栄えた。290年続くしょうゆ蔵が当時の味を今に伝える。伝統を受け継ぐ親子が、季節ごとに移ろいゆく小さな自然を感じながら、しょうゆ造りに生かしてきた。また、農業の歴史は古く、平安時代に切り開かれたという台地には、手入れの行き届いたやわらかな土で、特産のこかぶが収穫される。伝統を受け継ぐ暮らしに出会う。[TRAV](C)NHK
エピソード6
山抱かれ 心満たす~石川県 白山~
日本三名山の一つ、石川県白山。晩秋、鮮やかな紅葉の一方で頂は雪に覆われる。麓の集落は、農業には不向きな土地だが、人々は山の恵みを享受して生きてきた。「出作り小屋」と呼ばれる小屋を山あいに建て、焼畑農業やナメコ栽培を営む夫婦。“くず繭”と呼ばれた繭を丁寧に解きほぐして糸を紡ぎ、800年の歴史を持つ絹織物「牛首紬(つむぎ)」を生み出す職人。絶景とともに白山の恵みに感謝し暮らす人々に出会う旅。[TRAV](C)NHK