差出人は、誰ですか？

都立荒川西高校２年D組の桑鶴美月(幸澤沙良)は、人と本音で向き合うことが苦手な「ことなかれ主義」の高校生。夏休み明け、担任の立花純太(柄本時生)から突然「二学期中に一人最低一通、クラスの誰かに向けて手紙を書け」と“手紙ゲーム”の始まりを告げられる。内容は自由。告白や悩み、面と向かって言えないこと、何を書いてもいいから本音を書けという。普通の手紙と違うところはただ一つ。「差出人は書かなくていい」ということだけ。そして１人でも手紙を出さない人間がいた場合、連帯責任で全員進級出来なくなる、というルールも課せられた。それを聞いた生徒たちは、どよめくが…。

“手紙ゲーム”を課された美月(幸澤沙良)は、密かに思いを寄せる一ノ瀬斗也(藤原大祐)に告白の手紙を書こうかと考えていた。そんなある日、教壇の上に封筒を並べた立花(柄本時生)から手紙が３通届いたことを告げられた２年D組の生徒たち。そして、美月宛に思いもよらぬ衝撃の内容の手紙が届いていて…。

「あなたのことが大嫌いです」という自分宛の手紙を受け取った翌日、美月(幸澤沙良)は、なんとなく教室の雰囲気が変わってしまったように感じていた。その日の夕方、ファミレスで成田育(櫻井海音)から手紙を書いた犯人捜しをしようと提案された美月。そこでは、もう気にしていない、と返事をした美月だったが、学校では誰が書いたのかがやはり気になってしまい…。

佐伯彩花(大嵩愛花)から「あの手紙、私だと思ってるでしょ？」と言われ、否定はしたものの、複雑な感情を抱いた美月(幸澤沙良)は、昼休みに彩花と２人で話すことに。その頃、成田(櫻井海音)は立花(柄本時生)に呼び出され…。放課後、道に落ちていた手作りのキーホルダーを拾った美月。そこに何かを探しているような一ノ瀬斗也(藤原大祐)が現れる。

一ノ瀬(藤原大祐)宛に「ずっとあなたのことが好きでした」という告白の手紙が届いた。差出人はもちろん不明。２年D組の中に自分以外にも一ノ瀬のことを好きな人がいると知り焦る美月(幸澤沙良)は、手紙に引用されていた「銀河鉄道の夜」を読んでみたり、幼なじみの御手洗健(駒木根葵汰)に相談してみたりとジタバタする日々を送っていた。一方、立花(柄本時生)に呼び出されて以来、何かを思い詰めている様子の成田(櫻井海音)は、サッカーチームの練習にも参加せずどこか上の空。そして自分の中のいら立ちを発散するかのように、物静かなクラスメイト・馬場浩人(窪塚愛流)へのいじめをエスカレートさせていった。そんな中、水泳の授業で成田は馬場に賭けを提案するが…。

ある日のホームルーム、成田(櫻井海音)に届いた手紙を立花(柄本時生)が読み上げる。「クラスメイトをイジメて楽しいですか？」その手紙を立花は成田に渡そうとするが…。その日の夕方、日直の仕事を終えた美月(幸澤沙良)は廊下で立花にイジメについてどうするかを聞くが、「なんでもかんでもすぐ大人に聞くな」と言われてしまう。その翌日のホームルームで、難波桃子(大平くるみ)が成田への手紙について立花に訴えると、成田は自分と馬場(窪塚愛流)は幼馴染だと言い…。