フィリピンパブ嬢の母をもつ勝也は、そこで黒服として働く黒田に恋をしていた。ゲイであることと、敬虔なクリスチャンの母から受け継いだ信仰とが激しくぶつかり合い、勝也は必死にもがき続けている。母のくれた「神さま」を捨てきれぬまま、一体自分はどこに辿り着くべきなのだろう。フィリピンハーフのセクシュアルマイノリティーである稲津監督が、自身の家族をモチーフにして、監督自身とその実の母親が主演して撮られた本作は、家族・セクマイ・宗教の三つを同時に描く力作だ。第13回関西クィア映画祭2019・国内作品コンペティション「最優秀観客賞」受賞作品。