話: “文学少女”と自称する天野遠子は、本のページを口にしてその作品を本当に「味わう」ことができる少女である。中学3年生の彼女は、早くに両親を亡くし、母の友人である櫻井叶子の家に引き取られ、叶子の息子である流人と3人で暮らしている。ある日、父の職場だった出版社に赴いた際、遠子は新人賞の応募作品の落選の山の中にあった、井上ミウの「青空に似ている」という作品に出会う。 このエピソードは、「劇場版“文学少女”」の前日譚を描いたオリジナルエピソード3部作の第1弾であり、シリーズのメインヒロインである天野遠子の成長過程と、彼女が主人公と出会うまでの経緯を描いている。

話: 家庭の不和から辛い幼少期を送っていた朝倉美羽は、大人たちの醜い感情を目の当たりにし、それを吐き出される「ゴミ箱」となる日々を過ごしていた。そんな彼女の唯一の救いは「綺麗な物語」を空想することだった。その空想癖から友達ができず孤独な日々を送っていたが、ある日、自分の空想話を楽しんでくれたクラスメイトの井上心葉に特別な感情を抱き始める。しかし、心葉が投稿した小説「青空【ソラ】に似ている」が出版されたことで、美羽は追いつめられてしまう。

話: 高校2年生の琴吹ななせは、同級生の井上心葉に恋心を抱いているものの、その想いを伝えられず、本心とは裏腹につれない態度をとってしまう「ツンデレ」な一面を持つ。そんな彼女を見かねた親友・森ちゃんが恋愛特訓メニューを考案し、ななせは果敢に挑み始めるが、空回りの連続で全く思いを伝えられず、挙句の果てには入院騒ぎにまで発展してしまう。果たして彼女の思いが心葉に届く日は来るのか？