トルバス神曲学院の基礎課程で学ぶタタラ・フォロンは、専門過程への進級もおぼつかない落ちこぼれ。 心の支えは12年前に出会った、彼の歌を「いい歌だ」と言ってくれた紅色の精霊との思い出だった。 進級試験の追試を控えたある日、自分の演奏に嫌気がさしたフォロンはかつて紅色の精霊に聞かせた歌を歌っていたが、突如現れた精霊の暴走に巻き込まれてしまい・・・。
無事、専門課程に進級したフォロンは、正式に契約したコーティカルテと、後輩になったペルセルテ・プリネシカ姉妹に振り回されながらも楽しい毎日を送っていた。だが親友レンバルトの才能あふれる演奏を聴き、相変わらずの自分との差に落ち込むんでしまう。コーティには励まされるが、なかなか立ち直れない。一方、学院長に突然呼び出された卒業生のユフィンリーは学院の警備を依頼され、不穏な空気を感じ取っていた・・・。
コーティは結局帰ってこなかった。コーティがいない生活の寂しさと、学院長の問いに思い悩むフォロンには、ユギリ姉妹の必死の励ましも届かない。グループ実習で無様に失敗したフォロンは、自分の才能を過信するダングイスをいさめたプリネシカの言葉に衝撃を受ける。フォロンに立ち直るきっかけを与えたいレンバルトたちは、フォロンにペルセルテの演奏を聴かせる。つたないながらも懸命な演奏を聴いたフォロンは・・・。
互いの存在の大切さを確かめ合ったフォロンとコーティカルテは以前にも増して親密になる。その様子にペルセルテとプリネシカは気が気ではない。一方、トルバス神曲学院には第六神曲公社の視察としてライカが訪れるが、学院長は対応をユフィンリーに任せて雲隠れしてしまう。最初は互いに警戒していたライカとユフィンリーだが、歳が近いせいもありすぐに親しくなる。だがライカは笑顔の下におそるべき企みを隠していた・・・。
フォロンを敵視しているダングイスは、フォロンを挑発してはコーティカルテとペルセルテにやり込められていた。ペルセルテは傲慢で自分勝手なダングイスには精霊は召喚できないと言い切る。そんなダングイスが精霊との専属契約に成功する。驚く一同をよそにフォロンに精霊同士の戦いでの勝負を挑むダングイス。だが戦わず逃げ出すフォロンを、コーティカルテは歯がゆく思うのだった・・・。
一向に体調が良くならないプリネシカをペルセルテはいつものように気使う。そんな二人の仲の良い様子を優しく見守るフォロンとコーティカルテ。だがプリネシカの秘密が明らかになった時、ペルセルテは二人の間に隠し事があったことに深く傷ついてしまう。ペルセルテを諭すフォロンだったが、プリネシカと顔を合わせたくないペルセルテはフォロンの部屋に押し掛けてきてしまうのだった・・・。