人間の体を巨大で凶暴な虫に変える奇病が確認されてから30年。虫を狩ることを生業とする駆除屋の青年は1人の少女と出会い、彼女の母親を捜し出すと約束する。
エピソード1
Little Bo Peep
人間が巨大な虫へと姿を変えてしまう奇病・カガステルが蔓延したことで、人類の3分の2が減少してしまった世界。ある日、虫の駆除屋をしているキドウは、とある商人の護衛任務についている最中、荒野でカガステルに襲われている車を発見する。キドウはその車の手助けに向かって虫を退けるが、運転していた男は瀕死状態だった。男は事切れる直前、娘イリを母親のもとに届けて欲しいとキドウに願いを託す。
エピソード2
アンチョビとクロトカゲ
ガーデンマリオで下宿を始めたキドウとイリ。そんなある日、何かに食い荒らされた人間の死体を検分しに行ったキドウは、それが虫のしわざではないと断定する。やがて有力商人のもとに招かれたキドウは、東方連合軍E05対虫戦車隊員カシム、ハディと共に警護の依頼を受ける。一方、イリは下宿先のオーナー・マリオにお使いを頼まれて1人で市場に向かうが、途中で子供たちに財布を盗まれてしまう。その現場に居合わせたナジは、イリを盗人のアジトに連れて行く。
エピソード3
深き淵より
イリは、マリオから預かった財布を盗んだ「赤ネズミ団」という子供たちと出会う。子供たちをまとめる団長リジーは、財布をちらつかせてイリを鬼ごっこに誘い、あちこち走り回るうちに仲良くなる。一方、E05では駆除屋を狙った連続殺人事件が発生。死体には刃物でめった切りされた挙げ句に食べられた痕跡も残っていた。そんな中、調査を頼まれたキドウは、謎の手紙が届けられているのを見つけて事件に関する手がかりを得る。
エピソード4
心ない剣として
祭の日が近づく中、E05の地下にカガステルが潜んでいることが判明する。そこでキドウは囮となる人間を使って虫をおびき出す作戦を提案。軍の上官が難色を示す中、東方連合軍のカシムはその囮役を買って出る。カシムは5年前に西ゲート周辺が襲撃を受けた際に住民を守りきれず、たくさんの犠牲者を出して子供たちを孤児にしてしまったという負い目を感じていた。作戦の日、虫を待ち構えていたキドウやカシムは、イリや赤ネズミ団の子供たちが地下にいることを知って驚く。
エピソード5
東の果てから
自室から出てこないキドウを心配するイリに、マリオはキドウの過去を話す。大量のカガステルがはびこる人類極東の地、カラクルム。そこで駆除屋の祖ラザロに拾われた少年キドウは、行き場をなくした若者が集まった組織の仲間たちとカガステル発症者を処理していた。キドウはラザロの背中を追いながら、武器の扱い、読み書き、計算など、過酷な世界を生き延びる術を学んでいく。やがて勢いを増した駆除屋の横暴なふるまいに懸念を抱いた軍は、新たな規定を作って組織を飼いならし、虫退治のどさくさに紛れて始末しようとする。
エピソード6
目覚め
キドウはイリに、少しずつ心を開き始める。一方、軍を辞したハディは、カガステルを発症したにも関わらず人を襲うことなく逃走した例が、ある羊飼いの少女の周辺で起きていることをキドウに明かす。そんな中、イリの父親を自称する男がガーデンマリオに突然軍人たちと共に乗り込んでくる。上階で騒ぎを聞きつけたキドウはイリと一緒に逃げようとするが、そこに半身をカガステル化させた駆除屋殺しの青年アハトが現れて、2人の行く手を阻む。
細谷佳正
花澤香菜
花江夏樹
千明孝一
櫻井圭記