麗しの城主様 ~恋の宮廷騒乱記~
時代は遥か昔、木兮 (ぼくけい) 城は隣国の軒月城と長年骨肉の争いを繰り広げていた。木兮城主の一人娘として生まれた葉昭南 (よう・しょうなん) は、城主の座を継ぐために男として育てられ、父親亡きあと、女であることを隠したまま戴冠し、一国の主として政を執る日々を送っていた。ある日、狩りに出た先で、野心を抱く木兮城の配下が放った刺客に襲われる。その場に偶然居合わせたのが、宿敵・軒月城主の柳軒冥 (りゅう・けんめい) たった。てっきり自分が襲われたと勘違いした軒冥、危うい所を昭南に救われ一緒に崖から落下、昭南は頭を打って気を失う。昭南が女だと気づいた軒冥は、彼女がまさか敵国の城主だとは夢にも思わず、命の恩人として軒月城へ連れ帰った。記憶を失ったまま目を覚ました昭南は軒冥のそばで女官として働くことになる。