9から始まる奇妙な物語

レベッカとジェレミーの婚約パーティーの日、参加者たちは古い屋敷の中で「イワシの缶詰」と呼ばれるゲームに興じる。隠れている人を見つけ、自分も同じ場所に隠れるのがルールだ。未来の花嫁レベッカは、大きな洋服ダンスに隠れていたジェレミーの同僚イアンを見つける。次々とタンスの中へやってくる参加者たち。レベッカの兄カール、彼のパートナーであるスチュアート、ジェレミーの元交際相手レイチェル…まるで缶詰にされたイワシのように、タンスに人が詰め込まれていく。気まずい会話から不穏な空気が生まれ、家族の忌まわしい記憶が呼び起こされる。その時、タンスの中の人々はある事実に気づくのだった。

金持ちカップル、ジェラルドとサブリナの住むモダンな豪邸に、ドジな泥棒2人組、エディとレイが絵画を盗みに来る。泥棒たちは何とか侵入に成功するが、そこにはジェラルドとサブリナ、家政婦のキム、そして飼い犬も歩き回っていて、こっそり絵画を盗み出すのは難しそうだ。そしてトラブルが次々と発生する。犬は吠え、家政婦のキムは額縁から外した絵を洗濯物と一緒に片付けてしまうのだ。さらに険悪な仲であるジェラルドとサブリナは、泥棒たちの存在に気づかずケンカを始める。ジェラルドは、密かに拳銃を持ち出しサブリナを殺そうとたくらむ。そこへ新たな訪問者が現れる。

あるアパートの9号室。小説家を志望する小学校教師のトムは、女優の卵であるジェリーと付き合っていた。ある日、トムは通りの向こうにいるホームレスのことをバカにする。しかしジェリーは、明日は我が身だとトムを諭すのだった。夜になり、そのホームレスであるミッグが、トムの財布を拾ったと言いアパートを訪れる。2人は意気投合し、ミッグはトムの部屋に住みついた。その日を境にトムは仕事を辞めて執筆にふけり、以前のミッグと同じように落ちぶれていく。彼とは対照的に、ホームレスだったミッグは職を得て洗練された姿になっていく。打ちのめされるトムの前に、今度はジェリーが現れ、衝撃の事実を告げるのだった。

「マクベス」を上演中のとある劇場。この楽屋の主であるベテラン俳優トニーは公演を休んだことがなく、彼の代役であるジムには出番が回ってこない。ジムの婚約者ローラは、そんな状態を歯がゆく思っていた。ある夜、トニーの飲み物に酒が入っており、酔ったトニーは上演中に転落して大ケガを負う。おかげで表舞台に立つことができたジムは、瞬く間にスターへ成長。かつて自分を支えてくれたローラとは別れ、人気俳優として多忙な日々を送っていた。そんな中、あの夜の事故で車椅子の身となったトニーが楽屋を訪れ、ジムは全ての真相を知ることになる。

女子高生のケイティは不気味な古い豪邸に住むタビサとへクターのためにひと晩の留守番のアルバイトを引き受ける。家の2階には重度の病気である寝たきりの長男のアンドラスがおり、その病状のために家の温度は氷点下3度に保たれていた。彼のベッド脇にはベルがあるが、それが鳴らされることは絶対になく、彼の世話をする必要も2階に行く必要もないとケイティは言われる。タビサとへクターが出かけた後、ケイティは友人のシェルを呼び楽しく過ごそうとするが、おかしなことが起こり始める。剥製だったはずの猫が歩いたり、階段昇降機が勝手に作動したりするのだ。さらにはアンドラスの寝室から鳴らないはずのベルの音が聞こえてきて…。