2015年、渋谷。6年前に起きた大災害、渋谷地震から復興した街に新設された私立高校『碧朋学園』(へきほうがくえん)に通う少年、宮代拓留は、自身が設立した新聞部の活動の一環として『ニュージェネレーションの狂気の再来』と称される連続殺人事件を追っていた・・・。
エピソード1
CHAOS;HEAD/情報強者は事件を追う
「その目! 誰の目!」 2009年9月7日、23時30分。その日、5人の学生が渋谷・コーネリアスタワーからいっせいに身を投げた。のちに「ニュージェネレーションの狂気」と呼ばれる連続猟奇事件の幕開けである。これは6年前に渋谷を震撼させ、今もその影響を負の遺産として残す、巨大な陰謀の記憶の一片である――。 【情報強者は事件を追う】 「へえ、血が繋がってない姉弟・・・・・・。なんかやらしいですね」 2件連続して渋谷で発生した不気味な変死事件。その真相を追っていた宮代拓留は、6年前にも同様の事件が、やはり渋谷で起こされていたことに気付く。しかも犯行日は決まって6年前と同じ日。もしもその法則が正しければ、今日、3件目の事件が・・・・・・起こる!!
エピソード2
事件が彼らを嘯く
「このシールの作者は、結界を築くために人類の犠牲になったのだ!」 事件現場付近に必ず貼られている「力士シール」。作者不明、作成時期不明、目的不明・・・・・・。ただその存在を主張するかのように、渋谷の街でひそかに蔓延していた。力士シールの存在にいちはやく気づいて舞い上がっていた拓留だが、それは彼だけではなく、ある人物も同様で・・・・・・。
エピソード3
彼らのお祭りのお話の言い分
「私はもう失いたくないの。家族を・・・・・・」 事件に首を突っ込んだ代償として、拓留の親しい人物が暴漢に襲われてしまった。それは悔いても悔やみきれないこと。たいせつな人が自分を案じている・・・・・・襲撃事件を通じてそのことを実感した拓留は、かつて逃げ出した青葉寮で“家族”の温かみを思い出し、とめどなく涙を溢れさせた。
エピソード4
お話の裏側が妄想を始める
「尾上か。こんなんなっちまって。なあ宮代、ちゃんと持って帰ろうぜ」 AH東京総合病院。事件の手掛かりを求めて夜の院内に忍び込んだ拓留たちは、不気味な暗闇の中、しんと静まり返った廊下を慎重に進んでいく。めざすは精神病棟。だが夜の病院はただでさえ気味が悪いのに、人体を切り刻む解剖室や、寂れた地下施設に踏み込むことになって・・・・・・。
エピソード5
妄想の住人が騒ぎ迫る
「君はひどいことをさせられてたんだ」 事件に深く関係していると思しき少女が保護された。彼女の名前は山添うき。長い間、とある地下施設に監禁されていたのである。しかし彼女は救出を喜ぶどころか、「私、ここにさらわれてきたんです」と助けてくれた人間を非難する。そして元の施設に戻りたいと神成刑事に懇願した。
エピソード6
侵した過去に間に合うために
「宮代先輩、こんな場所でせりの“初めて”を奪おうとするなんて!」 事件の被害者たちに共通すること・・・・・・それは脳が肥大化した状態で亡くなっているという、通常では考えられない状態だった。一方、一連の事件の犯人と思しき少女に命を狙われた拓留と雛絵は、頻発する放火事件との関連に注目しつつ、再びおこなわれるだろう襲撃に神経をとがらせる。