司法警察局の犯罪捜査課で主任警部に昇進したばかりのメグレは妻ルイーズと２人暮らし。メグレは部下たちと連続強盗事件を追っていたが、犯人グループをなかなか逮捕できない。そんな中、同僚のフーロン警部から新たな殺人事件の捜査の手伝いを頼まれる。被害者はかつてメグレが逮捕した窃盗犯オノレ・キュアンデだった。カーナヴェル検事から連続強盗事件に集中せよと指示されるが、メグレは２件の捜査を並行する……。

カヴルが無断で持ち場を離れてしまったことで、捕まえた強盗グループのひとりレゾンを連れ去られてしまったメグレたち。その後、防犯カメラ映像からトラウデ一味の全員を割り出せたが証拠がなく、メグレは次の犯行を予測して現場で捕らえる作戦を提案する。一方、並行してキュアンデ殺害の捜査も続けるメグレを情報機関ＤＧＳＥのダネが訪ねてくる。ダネは容疑者のシリア人実業家は大事な情報源だから近づくなと警告するが……。

メグレたちは行方不明のインフルエンサー、レイラ・リヨネを捜索していたが、手掛かりはつかめず、彼女のファンが暴走し始めていた。そんな中、カーナヴェルとともに内務大臣モローに呼ばれたメグレは、実業家のフェルディナン・フュマルのもとに届いた脅迫文の捜査を依頼される。大臣からフュマルの名を聞いてもピンとこないメグレだったが、犯罪捜査課に現われた彼の顔を見て、同じ村の出身であることを思い出す……。

フュマルが射殺され、メグレは再びフュマルの邸宅へ。住み込みのスタッフの取り調べを行なう中、メグレはデスクに残された資料から、取引先であるガイヤルダンが３０年前にひき逃げ事件を起こすも家族にもみ消されていた事実を知る。チームとともにガイヤルダンのオフィスへ向かうと、ガイヤルダンは銃を持って自室に立てこもっていた。交渉人が到着するまでの間、メグレはガイヤルダンと話をつないで時間稼ぎをするが……。

資産家の息子、アントワーヌ・バティーユが刺殺された。バティーユ家は香水ブランドのオーナーとして知られ、息子の殺害事件もマスコミで大々的に報道される。アントワーヌは街の音や会話をレコーダーに録音しており、そのレコードにはバーで計画を練る泥棒たちの会話と、録音者が彼らに盗み聞きを疑われて問い詰められる声が入っていた。メグレは会話の中に故郷の村の伯爵夫人ソフィの息子モーリスの名が出てきて驚く……。

ソフィから電話で助けを求められ、メグレは急いでサン・フィアクルの村へ帰省する。だが、彼女に会うや否や帰れと突き放されてしまう。ソフィは教会のミサに行くが、そこで侍者の少年からケータイを手渡される。その中に入っていた動画を見て、ショックを受けたソフィはミサが終わっても動かず、メグレが近づいてよく見ると、彼女は息絶えていた。死因は心臓発作だが、高血圧の彼女が低血圧用の薬を飲んでいたことが判明し……。