カラーで振り返るアメリカ

アメリカにとって1920年代は、かつてないほど変化の多い10年だった。兵士たちは戦争から帰国し、高給の仕事が多々あった。女性は“適切な態度”を捨て、ジャズ･エイジが始まった。今まではモノクロでしか見られなかった、活気にあふれ個性的な狂騒の20年代を初めてカラー映像で紹介する。フォード社の組み立てラインに、チャールズ･リンドバーグの大西洋横断飛行、スピーク･イージー（もぐり酒場）も登場。ニューヨークのウォール街は、大恐慌が訪れる前後を見比べることができる。

1930年代は激動の時代だった。株式市場の暴落により、アメリカには暴力と無秩序が蔓延。ある大統領が対策に苦戦した一方で、ある大統領はニューディール政策を提唱。失業者を減らし町の景観を改善させた。絶望の時代から回復するまでのアメリカの様相を、初めてカラー映像で紹介する。禁酒法の終わりや大規模プロジェクトの始まり、砂嵐ダストボウルの悪夢やテクニカラーのハリウッドでの成功まで、カラー映像で1930年代を振り返る。

世界大戦が国を１つにし、好景気ににぎわった1940年代。一方で恐怖と偏見がはびこった時代でもあった。デジタル技術を用いてカラー化された映像によって、かつて目にしたことのない1940年代がよみがえる。真珠湾攻撃の様子をとらえた貴重な映像や、日系アメリカ人の強制収容所で撮られたホームビデオ、戦後のお祝いや繁栄を描いたニュース映画を通して、孤立した国から世界の超大国へと変貌を遂げたアメリカの様子を紹介する。

国内外で恐ろしい紛争が起きていたにもかかわらず、栄光の時代と言われる1950年代。かつてないほど家庭は豊かになり、10代の若者はロックンロールに陶酔した。一方で社会不安にアメリカは揺れ、宇宙開発競争では遅れを取っていた。朝鮮戦争、リトルロックの９人、エルヴィス･プレスリーなど、驚くべき10年間の重要な映像をデジタルカラー映像で紹介する。

1960年代アメリカ。大統領選、戦争による国の分断、1969年7月20日の宇宙開発競争の勝利宣言が全国に放送された。現代のアメリカの夜明けを有名無名の映像を通しフルカラーで振り返る。キューバ危機の緊張、ビートルズの音楽、ワシントン大行進、月面着陸など、かつて目にしたことのない1960年代がよみがえる。

20世紀の初め、ミシシッピ川の西側は未開の地で、いくつもの絶景と危険が潜む川が広がっていたが、数十年の間に産業や地の利を生かし変貌を遂げ、経済的にも政治的にも重要な場所としてアメリカのみならず世界に変化をもたらした。バッファロー･ビルや “テディ”･ルーズベルトで有名になり、勝機や幸運を求める開拓者たちによって発展したこの地を初のカラー映像で再訪する。