テス

貧しい行商人ジョン･ダービフィールドは、ある日牧師から自分が貴族ダーバヴィル家の子孫だと聞かされる。裕福な親せきがいることが判明し、仕事をもらうべく娘のテスがその親せきダーバヴィル家へと向かう。最初に出会った当主のダーバヴィル夫人の息子アレックに言われ、親せきだということを隠したまま、テスは鶏の管理の仕事を得る。アレックは美しく勝ち気なテスに惹かれ誘惑しようとするが、なかなかうまくいかない。そしてついに彼は強硬手段に出る。

アレックとの間にできた子供が死に、テスは実家を出て酪農場で働き始める。そこには、かつて五月祭で見かけたエンジェルがいた。次第に惹かれ合う2人。両親にテスとの結婚の許しをもらうべく実家へ帰ったエンジェルは、そこでアレック･ダーバヴィルと出会う。忌まわしい過去をエンジェルになかなか打ち明けられないテスは手紙で伝えようとするのだが…。

ついに結婚したテスとエンジェル。その晩、テスは過去の忌まわしい体験をエンジェルに告白する。テスが被害者だと分かっていても納得できないエンジェルは一人でブラジルへと旅立つ。エンジェルが迎えに来るまで英国に残ることになったテスはまた農場へ働きに出る。だが生活が苦しくなり、ある日エンジェルの両親に相談へ行くことにする。向かった先でテスは思わぬ人物と再会するのだった…。

エンジェルを待ち続けることに疲れ始めたテス。そんなある日、父が死に、家族は村を追い出されてしまう。そこで先祖ダーバヴィルの土地へ行くが住む家もなく途方にくれる一家。アレックは家族の幸せを考えろとテスを諭すのだった。その頃、ブラジルで病に伏せていたエンジェルがイギリスへ帰国する。テスへの仕打ちを悔いた彼は彼女を捜して奔走する。だが、やっと見つけた彼女は…。