僕、ママ、パパ、おばあちゃん、そして、アンナ

車イスで生活をし、“自分に似ている”と咲かない花へほかの花より何倍もの愛情を注いだママ。そんなママがある日崖から落ちて死んでしまう。苦痛と憂うつな思いがママの日記に記されていたが、パパも暮らしに寂しさを覚えていて…。

細かい光を描くことが好きだった画家のママ。しかし、光本来の美しさを表現できないことに自ら傷つき、そんな心の傷から血のつながってない妹アンナへの嫉妬と憎悪が生まれた。ママから暴言を浴びせられたアンナとその姿を見たパパは…。

アンナに自分のものを根こそぎすべて奪われた気がしていたママだったが、自分の劣等感の壁を崩せばいいと分かっていた。そんなある日、パパとアンナは衝動的に一線を越えてしまう。以降、パパはアンナを心身共に渇望するが…。

暴言を吐いた日のことをアンナに謝罪したママ。そんなママに対して罪悪感が募ったアンナは、パパと関係を持ったことを涙ながらに白状する。パパも許しを請うが、取り乱したママは、おばあさんに知ってもらおうと携帯電話を手にし…。

アンナとパパの関係を知ったおばあさんは、2人への復讐を誓い、自家製味噌に毒を盛った。それを食べていた2人は苦しみ徐々に衰弱していき、アンナは死んでしまう。生きる希望を失ったパパは、息子にすべてを奪われた気がして…。

自らを汚らわしい老木だと考えたおばあさんは、身辺整理を始めた。そして心を決め自殺しようと…。一方、アンナからの最期の手紙を読み、ママの死の真相を知った息子。パパがママに謝罪すべきだと崖の上から車イスを押そうとしたが…。