国税局査察官・春馬草輔はレンタカー会社の20億円の脱税を調べ始めますが、金はタックス・ヘイブン(租税回避地)のバージン諸島にあるダミー会社へ送られた後でした。“カリブの手品師”の異名を持つ脱税コンサルタント・村雲修次の仕業で、村雲は余命半年の友人・川島をダミー会社の社長に据えます。半年後、春馬の調査があと一歩まで迫ったとき、川島の死で20億円は闇に消えます。敗北感を味わう春馬にさらなる不幸が…。[FICT](C)NHK
村雲と彼の元恋人で亡き川島の妻・歌織は、脱税したレンタカー会社の裏金のうち18億円を日本に持ち込むべく、地下銀行の営業担当・リャオの手引きで香港に渡ります。一方、突然の航空機事故で妻・雪恵を失った春馬は、事故以来、心を閉ざす娘・鈴子のために査察の現場を離れようと決意していました。しかし、鈴子と約束した学校の三者面談の当日、春馬は村雲たちが空港税関を突破することをかぎつけ、急きょ空港に向かいます。[FICT](C)NHK
現役大臣の脱税を追う春馬の前に、伝説の元査察官・井坂が立ちはだかります。苦心の末、春馬は井坂の仕組んだパーマネント・トラベラー(終身旅行者)のスキーム(計画)を暴きます。村雲は航空機事故の遺族と偽って春馬に接近。春馬は正体に気づかず村雲に心を許します。一方、村雲の顧客である檜山(ひやま)基一の父・正道のがん、川島の妻・歌織の妊娠が発覚。村雲は檜山家の資産6000億円を巡る脱税スキームを開始します。[FICT](C)NHK
航空機事故で多額の違約金を手に入れた人材派遣会社ライトキャスト。春馬はひそかに内偵を進めますが、村雲は裏社会の力を借りて春馬の調査を中止に追い込みます。敵の存在を確信した春馬。一方、臨月の歌織は相続税のかからないカナダで出産するため、ライトキャストの社長・檜山(ひやま)基一とともにカナダへ向かいます。村雲は死期の迫る基一の父・正道の願いで奈良行きに同行しますが、それは復讐(ふくしゅう)の旅でした。[FICT](C)NHK
村雲が航空機事故の黒幕であることを突き止めた春馬。一方、村雲は死期が迫る檜山(ひやま)正道の資産6000億の相続税を回避するため、ボリビアでリチウム工場の爆発事故という壮大なスキーム(計画)を実行します。何かに取りつかれたような村雲の姿に、光を出産した歌織は不安を感じます。村雲への行き過ぎた調査が発覚し閑職に追いやられた春馬は、村雲の過去を探るため、娘の鈴子を連れて村雲の故郷・奈良に向かいます。[FICT](C)NHK
檜山(ひやま)基一の財産を根こそぎ奪い、村雲が歌織と光とともに姿を消しました。1年後、左遷で税務署勤務の春馬はライトキャストの情報を得ますが、脱税した5800億円と村雲の行方はつかめません。そのころ、村雲はバージン諸島で帝王として君臨していました。金を手に入れても闇に向かう村雲の姿に、歌織は金をすべて基一の口座に戻してしまいます。歌織の動きで村雲の居所をつかんだ春馬は、雌雄を決するべく旅立ちます。[FICT](C)NHK