ナチスの証言～党員への尋問の記録～

第二次世界大戦後、生き抜いたナチ党員は推定800万人。連合国は党員を洗い出すため、ドイツ国民の尋問を開始。反ユダヤ主義のプロパガンダ活動家・シュトライヒャーや、善人の皮を被って死刑を逃れたシュペーアなど、彼らの証言と共にナチスの歴史を追う。

純粋なアーリア人によるドイツを目指したヒトラーは、邪魔なユダヤ人を排除し人種を浄化するという考えを幼い頃に植えつけられたものだった。平和的なドイツを見せるべく企画されたオリンピックにおいて、シュペーアはベルリンの街を一新するゲルマニア計画に着手する。

ナチスのプロパガンダ活動はさらに勢いを増す。更にユダヤ人の商店や企業、シナゴーグを襲う「水晶の夜」が起きる。ヒトラーはポーランドへの侵攻を決意し、血統の純粋化を進めるためT4作戦と称して障害者や同性愛者を安楽死させる。これがホロコーストの前触れとなる。

国民の不安をよそにヒトラーはソ連への侵攻を開始。大勢を殺すことへの精神的な負担を考慮し、ナチスは移動式のガス室やガストラックを開発。しかしソ連との人口差が問題となり進行は難航する。収容所ではユダヤ人問題への最終的解決、つまり大量殺戮のための準備が進められていく。

収容所に勤める親衛隊員の汚職調査をしていたモルゲンはアウシュビッツを訪れ、所長のヘスが被収容者の女性を妊娠させた上に殺そうとしたことを知る。一方、敗戦が間近に迫り、ナチスは大量殺戮の証拠隠滅に走ると同時に被収容者の処刑を押し進め、2か月で40万ものユダヤ人を殺害する。

ドイツの戦況が危なくなり、占領下の国でも抵抗運動が起き始める。ディルレヴァンガーは部下と共に残虐行為を繰り返し、大勢の民間人が殺害される。疲弊した若い兵士がドイツの勝利を信じて戦地へ赴くが、ヒトラーは彼らを裏切って自殺し、ドイツは降伏する。