人形作りを仕事としているゼペットじいさんは、キツツキのロッコ、猫のジュリエッタと暮らしていたが、本当は自分の子供が欲しくてたまらなかった。ある日、ゼペットが作った人形は、人間のように動き、話のできる生きた人形であった。その人形は大変ないたずら好きで、ゼペットを困らせるが、優しい一面も持ち合わせていた。ゼペットは人形に「ピコリーノ」という名前を付けて可愛がることにする。 [SF/ファンタジー]
いたずら者で、物事の分別のつかないピコリーノは、町へ行けばネズミを追いかけて店をめちゃめちゃにし、家にいれば狐のディノや猫のウィッチを追い回して家をめちゃめちゃにしてしまう。困ったゼペットはピコリーノに学校へ行くことを勧める。
学校へ行くことになったピコリーノだったが、登校の途中、ディノとウィッチの口車に乗せられて人形芝居小屋に入ってしまう。ディノとウィッチは人形芝居の主、火喰い親方にピコリーノを売りつけたのだ。何も知らないピコリーノは芝居に夢中になり過ぎて舞台に乱入、芝居をぶちこわしてしまう。ピコリーノは結局親方に連れられて旅に出る。ピコリーノの友達、アヒルのジーナも同行する。
ピコリーノは初めての舞台で、思いがけない人気を得て有頂天になる。このままではいけないと感じたジーナは、ゼペットを思う気持ちを表現した芝居を作って、ピコリーノに上演させる。その芝居に感動した火喰い親方は、ピコリーノに金貨5枚を与え、ゼペットのもとへ帰るように言うのだった。
ゼペットのもとへと向かうピコリーノとジーナ。しかしピコリーノの金貨を狙ってディノとウィッチは彼らに近づく。二人の悪人は、「不思議の野原」という金貨のなる木の育つ場所の話をピコリーノに聞かせて、そこへピコリーノを向かわせる。途中、「赤エビ屋」という宿屋に泊まった一行だったが、ディノとウィッチは宿屋の支払いをピコリーノに押し付けて先に出発してしまう。
「不思議な野原」を探すピコリーノとジーナはその途中、ルリ色の髪をした少女に会う。少女に、その野原は森の向こうにあると告げられたピコリーノは、少女の行ってはいけないという忠告にもかかわらず、夜一人で出かけてしまう。ピコリーノは森の中でディノとウィッチに襲われ、高い樫の木に吊り下げられる。ピコリーノの危機を知ったジーナが少女に彼を助けるように頼むと、少女は鷹やムク犬を使ってピコリーノを助けるように指示をするのだった。少女は仙女だった。
Saito Hiroshi
監督
Koshi Shigeo
Mochinaga Tadahito
カルロ・コロディ
脚本