プラネット・ダイナソー

9500年前の白亜紀中期、アフリカ北部の川や沼を取り巻く荒野に生息したスピノサウルス。頭骨2メートル、全長7メートルというケタ外れの巨体を持つこの恐竜は、魚が主食のワニに近い生活を送っていたとされている。一方、陸上ではティラノサウルスを凌ぐ全長13メートルの肉食恐竜カルカロドントサウルスがいた。

2008年に発見されたエピデクシプリクスは、全身が短い羽毛に覆われ、長い尾羽があったことが分かっている。そして同じ仲間には全長8メートルもある巨大なギガントラプトルもいた。一方、中国からは、空へと飛び立った恐竜の化石も見つかった。全長1メートルにも満たないミクロラプトルは4つの翼を広げ、滑空をすることができたのだ。

カナダのアルバータ州立恐竜公園で発見されたティラノサウルス類ダスプレトサウルス。全長9メートル、体重3トンの巨体がサイほどの大きさの角竜類カスモサウルスを狙う。一方、この10年の間、マダガスカルで発掘が相次いだアベリスウルス類のマジュンガサウルス。7000万年前の島は干ばつに襲われ、彼らは生き残りをかけ共食いも行っていた。

1億5千万年前のジュラ紀の温かい海にはプレデターXと呼ばれる恐るべき肉食恐竜がいた。全長15メートルもあり、噛む力はティラノサウルスの4倍。これまでに発見された中で最強の海生爬虫類だ。一方、陸上では、アロサウルスのような大型肉食恐竜に対して、植物食恐竜、ステゴザウルスとカンプトサウルスが協力して身を守っていた。

アルゼンチンで初めて発見されたアルゼンチノサウルスは、背骨ひとつが人間の背丈ほどもある史上最大の巨大恐竜。全長35メートル、体重75トンというケタはずれの巨体だ。アフリカ北部では体重45トンの巨大な植物食恐竜パラティタンが発見された。そして彼らの近くには、巨大な肉食恐竜が潜んでいて、絶えず戦いが繰り広げられていた。

白亜紀後期の恐竜たちは環境への驚異の適応力を発揮した。ヨーロッパの島では、食料が乏しい環境に合わせて、体を小型化させた恐竜が見つかっている。アメリカでは獣脚類のテリジノサウルス類が完全な植物食となった。アジアでも雑食性になったオヴィラプトル科の恐竜がいた。しかし、そんな進化を遂げた恐竜たちに絶滅の時が迫りつつあるのだった。