
シーズン1、エピソード1: 金融クライシスの波に飲まれ、職場を追われたエリート銀行員・小津が、選ばざるを得なかった高校教師の職。 そこはイマドキの子供の養殖場であった。だが、プライドと自尊心で満タンの自己中心的独善主義の固まりの小津がそれを咎めだて出来るわけがない。生徒たちには生徒たちの論理と真実があった。小津と生徒たちは、鏡に映るような己の姿を見せあい、何を学び掴んでいくのか・・・。 小津には田村正和、同僚の教師陣にユースケ・サンタマリア、瀬戸朝香、西田尚美、京野ことみ。生徒には、森山未來、忍成修吾、一戸奈未。 1年前までは、ニューヨークでバリバリの銀行員として働いていた小津南兵(田村正和)は、光陰高等学園の教壇に立っていた。贈賄で逮捕、罪を一人で被り、つい1ヵ月前に出所したのだ。教室はメールを打つ者、いちゃつく者・・・そこは「イマドキ」の10代で埋まっていた。小津は、なぜ自分がここにいるのか自問するのだった。 1ヶ月前、帰国した小津はすぐに東京の本店へ出向いたが、彼の居場所は無かった。 家に帰ると妻の静香(余貴美子)が、離婚届を持ってきた。 そんな夜、小津はホテルのバーで、騒ぎ続ける若者の一団に出くわした。注意すると、中の一人、加藤賢(ユースケ・サンタマリア)が「こいつ転落の銀行員だ。脱走したの?」と酔った勢いではしゃぎだした。それを殴り飛ばしたのは女性の足利みゅー(瀬戸朝香)だった。一団はぞろぞろと帰り始めた。「?」の小津であった。 小津は、銀行への就職活動を始めた。感触はいい。だが、不採用の知らせばかりが届く。そんな折、同期の島谷(大杉漣)が現れ、高校教師の仕事を斡旋する。 家に帰ると、絵理(水川あさみ)が言う。「ママ、この人、幽霊みたい」。その言葉を聞いた小津は決心した。静香の離婚届に判を押し、島谷の申し出を受けることにしたのだった。 小津はその学校に行った。恐喝に来たのかと青ざめたる加藤の横で、校長の鹿松哲郎(谷啓)は「君と一緒に2年生を教えてもらうよ」とニコニコと伝えるだけであった。 加藤は小津をスポーツバーに誘った。小津は「教員は、銀行へ戻るまでの間だけだ」と言い切る。そこへ、光陰の生徒がやって来た。加藤が顧問をするバスケット部の生徒たちだ。喧嘩を始め、ビールをのむ生徒や、それを止めもしない加藤を見て、違和感が募る小津に、中の一人、井本浩二(森山未來)が言った。「あんた、幽霊みたいだな」。 苦し気にビールを呷る小津だった。 小津はそのまま、加藤の家に転がり込んだ。眠れない小津は高校の体育館にやって来た。バスケットボールを触っていると、女子部の顧問のみゅーがやって来た。「びっくりした。幽霊が出たかと思った」。小津はその言葉を噛み締めるのだった。