
半沢直樹(前回シリーズ)、エピソード1: 東京中央銀行大阪西支店・融資課長の半沢直樹(堺雅人)は、バブル経済末期に銀行に入行した「バブル入行組」で、現在は行内で業務の中心的役割を担う世代になっていた。東京本店融資部に勤務する渡真利忍(及川光博)は、半沢と同期入行組であり、入行以来の親しい仲。頻繁に助言をし、半沢をフォローし続ける。一方家庭では、妻の花(上戸彩)が、文句を言いながらも明るく実直な性格で夫を支える。そんな半沢に、ある日浅野支店長(石丸幹二)から強引な指示が下り、西大阪スチールから新規の融資先にも関わらず「無担保」で5億円の融資契約を取り付けることになった。この融資によって営業目標を達成した大阪西支店は、最優良店舗賞を初受賞することになったが、西大阪スチールは陰で莫大な負債を抱えており、それを隠すために行っていた粉飾決算が発覚。融資からたった3カ月後、西大阪スチールは倒産し、東京中央銀行は融資額5億円全額をだまし取られてしまった。出世に執念を燃やす浅野支店長は、その全責任を半沢1人に負わせようと画策し、異例のスピード出世を果たした大和田常務(香川照之)にまで根回しをする。東京中央銀行は、バブル期の膨大な不良債権に苦しんだ都市銀行が合併して出来上がった「メガバンク」。行内には、合併後も「旧・産業中央銀行」出身者、「旧・東京第一銀行出身者」の派閥に分かれ、し烈な権力争いを繰り返していた。大和田常務と浅野支店長は「旧・産業中央銀行」出身である。そんな中、「旧・東京第一銀行出身者」中野渡頭取(北大路欣也)は派閥対立を鎮めるために苦心していた。融資失敗の責任に関して、東京本店で聞き取り調査に出席した半沢は、全責任を自らに負わせようとする上司たちに真っ向から反発し、5億円を取り戻すと宣言する。なぜならそれが、半沢がバンカーとして生き残るための唯一の道だったからだ・・・。