シーズン1、エピソード1: 話: 京都・東山の一角にある小さな医院の医師、大藪彦次郎(寺島進)は、屋台のたこ焼き店主から転身した変わり者。院長を務める義姉・内倉享子(戸田恵子)のもと、急患があればお手製の“救急自転車”に乗って駆けつける破天荒なドクターだが、腕は確かで街の人々からは“彦ちゃん”と呼ばれ親しまれている。 ある日、馴染みの女将・小川志乃(黒谷友香)が営む老舗旅館から、宿泊客の男性が倒れたという知らせを受けた彦次郎は、いつものとおり自転車で急行。宿泊客の宮脇圭介(大西武志)がアナフィラキシーショックを起こして苦しんでいた。しかし、そこにはすでに別の医師が駆けつけており、宮脇が食物アレルギーを装って慰謝料をかすめ取ろうとしたことを見破っていた。その医師は、彦次郎の医大時代の同級生・高梨英一郎(山口祥行)だった。高梨は脳外科のスーパードクターで、騒ぎの直前、志乃にプロポーズしていたという。 翌朝、宮脇が河川敷で絞殺死体となって発見される。京都府警刑事の後白河孝麿(宇梶剛士)らが捜査したところ、宮脇は元医療ジャーナリストで、“向谷記念病院”について探っていたことがわかる。向谷記念病院は彦次郎と高梨の恩師・向谷教授の娘・美月(大塚千弘)が院長を務め、高梨をはじめとするスーパードクターたちが多数在籍し、長年”行きたい病院ランキング”の1位に君臨していた。 このところ京都市内では“オヤジ狩り”が頻発しており、宮脇の殺害に使用された凶器も一連の“オヤジ狩り”と同様のスパナであることが判明する。 その後、彦次郎の屋台時代からの知人で飴細工職人の三島茂夫(高橋長英)が自首する。茂夫は、神社の境内で屋台を開いていたところ、宮脇に因縁をつけられたのがきっかけだと供述するが、彦次郎は茂夫の無実を信じ独自の捜査に乗り出す。ところが、第二の事件も起きてしまう。
