null: 話: 夢破れ、南相馬市の古びた映画館「朝日座」にたどり着いた売れない映画監督の川島健二(竹原ピストル)は、生きる希望を失くしさまよっていた。そこで彼は、来場客から入館料をくすねるモギリ嬢の茂木莉子(高畑充希)と、お喋り好きな支配人の森田保造(柳家喬太郎)に出会う。川島は、賑やかな二人が繰り広げる日常と、古い名画を二本立てで観せる「ニューシネマパラダイス」のような映画館に居心地の良さを感じ、しばらくこの街に滞在することを決意する。そんなある日、金持ちの未亡人・松山秀子(吉行和子)から「この街のためになる映画を作ってほしい」と声をかけられる。あきらめた夢と折れたプライドがうずく川島の心が揺れ動く中、「この街で“悲惨なドキュメンタリー映画”を撮りたい」と言うもう一人の映画監督・藤田慎二(小柳友)が現れる。東日本大震災、2019年の東日本台風被害、そして新型コロナウイルスの蔓延と、立ち上がろうとする度に押し寄せる新たな苦難の中、南相馬市に実在する映画館「朝日座」に引き寄せられるように集まってきた人々の“苦悩と再生”をコメディタッチで描く、福島発のヒューマンドラマである。
